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職の精神史

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2008.09.26
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カテゴリ:勉強会いろいろ
今年からBusiness Cafeには運営メンバーが集い、諫山君、前田さん、四本さんが、毎週みんなのために、色々と配慮を利かせてくれている。


毎週、定期的に配信される四本さんの書評メール、ブログに掲載される諫山君の報告記事、終了後に配信される前田さんの感想メールは、それぞれ若者の率直な気持ちが述べられていて、しかもその連携も素晴らしく、私は毎週、楽しみにしている。


BCは、FUNの派生勉強会では最も歴史が長く、ここではおそらく、200本ほどのエッセイや評論、評伝に触れてきたのではないだろうか。


そんな伝統と運営メンバーの思いが重なり、今年の参加者は30名を超えた。


大月さんや脇山さんの頃と比べると、隔世の感がある人数だ。


ここで紹介してきた本は、100%私の書斎から選んできたので、私も感慨ひとしおである。


そして迎えた今年の秋は、『論語と算盤』を読もうと決め、運営メンバーを中心に先週から受付や注文の手続きが始まった。


「そろそろみんなの手元に届くだろうか」


と思っていたところ、今日のお昼に諫山君から連絡があった。


「出版社でも在庫を切らしていて、重版の予定もないそうです」


『論語と算盤』が絶版?


竹山道雄、福田恒存、小泉信三は、興味や問題意識がはっきりした人じゃないと買わないだろうから、そのほとんどの著作が絶版なのも、個人的には悔しいがまだ分かる。


しかし、教科書にも登場し、明治維新の経済・産業分野で超人的な活躍を見せた偉人の作品が「絶版」とは、なんという惨状だろうか。


出版社である国書刊行会は、その名前から想像されるように、時代や流行に左右されない良書を扱っており、安価での普及を願ってか、同社の書籍は一般の出版社の書籍よりも安い。


昨今は紙媒体がネットに取って代わられ、雑誌出版社などは新しいビジネスモデルの模索に余念がないのだが、それにしても、古典作品はやはり、それなりの気持ちと姿勢で、一ページ一ページ、丹念に読んでこそ、真意が味わえるものだと思う。


今までFUNで紹介し、学年や学部、業界や趣味に関係なく、多大な反響を集めてきた名著。


「兄小林秀雄との対話」

「青年の思索のために」

「隷属への道」

「共産主義批判の常識」

「美に生きる」


…などは、私が古本屋に親しむようになった十四五年前は、まだ新刊で売っていたものもあった。


自分の好きな本だけを名著と言うつもりはなく、学生に本を紹介する時は、十分客観的になって、意義や目的を考えて紹介してきたつもりだが、それにしても、ここ数年の絶版ラッシュはすごい。


情報や知識にカネをかける人と、できるだけ無料で手に入れて済ませようとする人の差が開いているのだろう。


つまり、エリートと貧困層の格差がますます開きつつあるのだろう。


こんな状態が続けば、社会には情報を所有する者と配給される者の格差が固定するに違いない。


情報や知識は、お金や資産と違って相続できないので、知的格差は経済格差以上に凄まじいものになるに違いない。


その有り様は、同じ日本人でありながら、日本語が話せる日本人とそうでない日本人とが並存するようなもので、明治時代初期のような状態になるのではないだろうか。


人々はネットがあれば大丈夫と安易に考えているが、大抵の人はネットサーフィン、つまり「もらう側」として利用しているだけであって、この姿勢自体を問題にすれば、道具がPCであろうが通信速度が速かろうが、ほとんど意味はない。


根本的には自分の目で読み、頭で考える習慣を確立した者だけが情報貿易の勝利者となるのだ。


私の書斎の時価総額は、この十年で二、三倍に上がったと思うが、知的財産としての価値はそれ以上だろう。


もう手に入らない名著を、これからも若者たちに紹介していきたいものだ。


出版社は新刊か再刊の際には、千部近く印刷する。


いくら注文があろうが、十冊や二十冊では復刊コストが高くつくので、まず不可能だ。


だから私は、将来、千冊の本を一気に注文できるネットワークを構築し、こうした絶版の名著の版権を買い、「復刊書房」のようなビジネスもやってみたいと考えている。


「まず売れて、而る後に仕入れよ」のルールにも合うので、小規模でも利益は出るだろうし、良書を普及させるのは国のためにもなる。


だから、これからもせっせと名作を買い占めておこう。


それにしても、BCでは何を読むべきだろうか…。


「名著講座」で歴代の人気作品をよく研究している大月さんと相談してみよう。





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Last updated  2008.09.26 19:59:22
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