ある役者のつぶやき（送料無料市場）

夜、公園に、
三毛猫と白猫がいた。

白猫は、エサを食べるが、
三毛猫は、食べない。
公園の奥の茂みに隠れた。
しかし、遠くの茂みから、
じっと、こちらを見ている。

三毛猫は、
エサがほしいのではない。

あいつ、黒猫を待っている。

私も、黒猫は、いつ来るのか、
待ってみた。

３０分ほどしたとき、
白猫と、三毛猫が、
四方のベンチに集まりだした。

ふと気付くと、黒猫が
こちらへ歩いてくる。

白猫が鳴く。
三毛猫も鳴く。
ニャーニャーニャーニャー大合唱。

夜の静寂に包まれていた
公園に殺気が漂う。

すると、キジトラと、
三毛猫の母もやってきた。

６つほどあるベンチや、
茂みに、散開した、
三毛猫一派。

そんな縄張りに１匹
乗りこんできた黒猫。

私の座るベンチの後ろに、
ちょこんと座っている。

すぐにはエサを
やらず、戦況を眺めたが、
こう着状態。

エサをあげても、
大丈夫と判断し、
黒猫にエサをあげると、
他のどの猫よりも、
がつがつ食べた。

ベンチの上のエサを
食べるために、
爪をマックスに伸ばして、
しがみつく黒猫。

次のエサを補充しようと、
手を伸ばすと、
黒猫の猫パンチ（空を切った）。
華麗な右フック。

あぶない。あぶない。

エサをとられると
思ったんだろう。

十分、食べたころを見計らって、
ベンチを立つと、
なぜか、黒猫は、
真正面のベンチの上に
陣取る三毛猫の方へ。

黒猫は、三毛猫を鳴き声で
牽制。三毛猫も応じて、
一触即発。

が、踵を返して、
黒猫は、私の後ろを
くっついてきた。

正確には、
私をダシにして、
公園という戦場からの
離脱を図っている。

なるほど。

途中で、
しゃがんで黒猫に
近づくと、
ニャーとエサをせがむので、
ちょっとやった。

ぺロリと食べて、
公園の木をガリガリやって、
公園に隣接する民家の敷地に
消えていった。

満腹の三毛猫は、
おとなしいけど、
空腹の三毛猫と、
空腹の黒猫のバトルは、
不可避かもしれん。

しかし、
黒猫の爪の長さには、
驚いた。

あれにやられれば、
出血は避けられまい。


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また、明日。