休日最後の日、上尾の義母宅へご機嫌お伺いに奥さんと出かけました。
車中、V・クライヴァーンのピアノでチャイコフスキー&ラフマニノフのカップリングのCDを聴きながら。
アメリカ生まれのクライヴァーン、米ソの冷戦緊張時代に第1回目のチャイコフスキー・ピアノコンクールで当時のソヴィエトのピアニストたちを制して優勝、世界中にサプライズをもたらしました。
チャイコフスキーの1番、今聴くと非常にロマン性を色濃く感じさせます。
テクニック的には現在の若手ピアニストの方が凌駕していると思いますが演奏表現とピアノ技術とを見事に両立させてます。
終楽章、コーダへ突入する時のたとえば歌舞伎で使う見得の持って生き方、曲の運びが既に老練と言うか見事でした。
ラフマニノフの2番も美しい演奏ですがロシア風の香りは薄いかな。
ところでクライヴァーンさん、今どうしてるんだろ~。
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さてNHK-FMからタイマー録音しておいたゲルギエフ指揮マリインスキー劇場管によるシベリウスのSym1番、聴いて驚きました。
彼のシベリウスは多分初めて聴いたと思うのですが1楽章冒頭のクラの音色からしてゆったりとしたテンポで熱のこもった響きで始まり中間部のティンパニのグリッサンドをかけた目の覚めるような奏法、弦の分厚い響き、管楽器のたたみかけるような叫びなど・・・
全4楽章、あっと言うまに過ぎていきました。こんな劇的で破天荒なシベ1は初めてです。
当時のフィンランドを圧制していた旧ソ連に対する作曲者シベリウスの怒り、悲しみ、祖国にたいする熱い想いがたっぷり湛えられたこの曲をかって圧制していたロシアの指揮者とオケが見事なまでにそれらの情感を凄まじいほどの情熱を持って奏してくれました。私の愛器DIATONEに向かってブラボー連発でした。
シベリウス1番、過去のライブ録音ベストはディヴィス/LSOとラトル/BPOの2つでしたが強力な演奏がまた一つ私のライブラリーに増えました。
(2004年8月スウェーデン/ストックホルムでのライブ)
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