このところ仕事関係で日記をサボっておりました。
私の勤める会社は年次査定が5月からと言うことで先週末から今日まで自分の範囲の事業部の仲間の昇給及び昇格の査定で実はオオワラワでございました。
その期間はとてものんびりと音楽の話題で日記の更新率をアップする(冗談ですけれど)という気分にはなれなくて・・・
ようやっと今、音楽を聴くことが出来た次第であります。
シベリウスの交響曲第5番変ホ長調作品82
彼の交響曲全7曲の中でも特に好きな作品で順番で言うと1、5,2,4,7番の順でしょうか(なんだか殆どになってしまいますが)
今日はその2番目に好きな第5番の初稿版(オリジナル1915年版)を聴きました。
作曲家にはモーツァルト、シューベルト(この二人は30代の若さで亡くなっています)近代ではショスタコーヴィチのような速筆、完全型の決して書き直すことの無い作曲家とブルックナーやマーラーそしてシベリウスのように所謂(いわゆる)遅筆、何度も同じ素材を組みなおす悩み多い作曲家がおり今回のこのシベリウスの5番は1915年の初稿版の後、翌1916年に第2稿そして更に1919年に第3稿を完成して所謂これが現在広く演奏されている現行版になるのですが非常にこの初稿版は面白いです、暫らくぶりに聴きましたけれど。
まず第1楽章の冒頭から響きが違うしホルンは和音の登場でしかなく最初から寂寥感が強調される始まりかたで興味深く最初のクライマックスはいきなり忽然と音楽が静止したり(現行の1楽章の終結部に相当)現行版では静止せずに2楽章へと流れは維持されるのですがその後の2楽章以降でもオリジナル版ではラッパでの主題が弦に置き換えられたりします、因みに現行版ではオリジナル版の1、2楽章が1楽章にくくられています。
第4楽章(現行の第3楽章)ではどちらも珍しく同じ感じの出だしで、ホルンの二分音符の呼応も一緒なのですがオリジナル版ではラッパ(トランペット)が何とも妙な不協和音の喧嘩をふっかけたりします。
特筆すべきはやはり最終のコーダ、クライマックスです、ここでも不協和音が飛び込んできたりしますが現行版を聴きなれている人は驚くでしょうね、ブルックナーのシンフォニーのような雄大なコーダになってます。素晴らしいです、ここだけ採ればオリジナル版のほうが完成度が高いような気がします。(ぶつぎりコーダの現行版に比べると長大な流れで・・)
結果として今回のオリジナル版と現行版は全くの別物として聴いた方が違和感が無いのかも知れません。
シベ5の好きな方には是非お薦めします。(何年か前のラハティ響/バンスカの東京公演を聴かれた人には余計なお世話ですが)
↓ 参考資料(CD)
オリジナル版:オスモ・ヴァンスカ指揮ラハティ交響楽団(BIS)
比較した現行版:ユッカ=ペッカ・サラステ指揮フィンランド放送交響楽団
オリジナル盤は1996購入(BIS-CD-800)キングレコード
現行盤は2002年購入 (WPCS-21104)ワーナーミュージック
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