ブロムシュテット指揮NHK交響楽団サントリー定期、既に売切れの公演なのですが昨日まではキャンセル・チケットを求めてホールへ行くつもりでおりましたが明日は札幌出張ということもあり真っ直ぐ家に帰りFM生中継を聴きました。
メイン・プログラムは
ブルックナー:交響曲第3番ニ短調(第1稿)
ところで私の良く聴くCDは同じN響の演奏で若杉弘指揮(サントリーホール10周年記念1986/2/26サントリーホールでの実況録音)第3稿ノヴァーク版です。
この第3交響曲「ワーグナー交響曲」の副題が付いており当時ワーグナーがバイロイト祝祭劇場の建設にたずさわっていたころに彼に献呈されたことでこの副題となったわけですが何とこの第1稿がウィーン・フィルに演奏不可能と拒否されてしまうのですね。
かなりの改訂を経て何とかやっとウィーン・フィルにより演奏されるも聴衆の大部分の反対と演奏側の無理解により大失敗!「フィナーレの演奏中に多くの人々が実際に席を立ってしまった」というエピソードもあるくらい当時のウィーン子にとってはかなりのアヴァンギャルドな作品だったのでしょうか。
(管理人的にはコンパクトにブルックナーのエッセンスが凝縮された傑作作品だと思うのですが)
ブルックナーはさらに改訂を重ね(実際は改訂するほどに小節が短くなるのですが)第3稿と第1稿とでは1楽章だけ比較しても100小節も改訂後は短くなっているそうです。
全体でも第1稿よりも最終稿は25%も短縮されているようです(スコアの上では)
さて本日のブロムシュテット指揮N響の演奏、言葉も出ないくらいの素晴らしさでした。もちろん、お馴染みの対向配置が非常に効果的だしN響ブラス群も渋い音色でしびれました(笑)
多少のラッパのミスもあったけど問題なし。木管群も大健闘。
弦セクションはさすがN響の本領発揮、特に弱音のトレモロなど素晴らしい。
まさしくブロムシュテットさんの神へのそしてブルックナーあるいはワーグナー
への想いをこめたN響ともども渾身の演奏だったような気がします。
2003年2月以来のブロムシュテットさんN響への客演、奇しくも本日の演奏会が行われた3年前の2月8日最愛の奥様を亡くされたのでした。
彼の気持ちの中では今は亡き奥さまへの想いをこめた今夜の演奏だったかも知れません。
今年79歳を迎えるヘルベルト・ブロムシュテットさん、再び日本のコンサートホールで元気な姿そして指揮振りに接することが出来ますように強く願いたいです。
***一つ注文、フィナーレ直後に間髪を入れずに拍手した方、何を考えてるのでしょうか、ブルックナーといえば「オルガン」の余韻を残した響きが最大の魅力なのに、「ぶちこわした」あなたに今後はコンサートホール”出入り禁止”と言いたい気分(怒)&(笑)
ま!今夜の管理人はFMリスナーですから我慢しますが。。。
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