ワーグナー「ニーベルングの指環」第2夜「ジークフリート」に続き4番目に当たる第3夜
「神々の黄昏」を聴く。
前作でジークフリートとブリュンヒルデの愛の陶酔のシーンで幕を閉じましたが4夜にわたる
指環の完結を迎える「神々の黄昏」
アルベリヒの息子ハーゲンの策略でジークフリートとブリュンヒルデは別々の結婚を強いられる。ハーゲンによってジークフリートは殺され、ブリュンヒルデは指環とともに自ら火の中へ身を投じる。
二人(ジークフリート&ブリュンヒルデ)を焼く炎はヴァルハラ城を包み込み、指環はラインの乙女たちの許に還る。
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第3夜「神々の黄昏」
第1夜(125分17)第2幕(66分24)第3幕(80分55)
出演
ジークフリート:ジークフリート・イェルザレム
グンター:ボード・ブリンクマン
ハーゲン:フィリップ・カン
アルベリヒ:ギュンター・フォン・カンネン
ブリュンヒルデ:アン・エヴァンズ
グートルーネ:エヴァ=マリア・ブントシュー
ヴァルトラウテ:ヴァルトラウト・マイアー
第1のノルン:ビルギッタ・スヴェンデン
第2のノルン:リンダ・フィニー
第3のノルン:ウタ・フリーヴ
ヴォークリンデ:ヒルデ・ライトランド
ヴェルグンデ:アンネッテ・ギュッテンバウム
フロースヒルデ:ジェーン・ターナー
演出:ハリー・クプファー
装置:ハンス・シャフェルノッホ
衣裳:ラインハルト・ハインリヒ
照明:ホーラント・H・ホルフェルド
指揮:ダニエル・バレンボイム
演奏:バイロイト祝祭劇場管弦楽団&合唱団
(1991年&1992年バイロイト祝祭劇場)
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序夜「ラインの黄金」のはじめにラインの乙女たちからニーベルング族のアルベリヒが指環を奪って様々な物語に発展してきたが黄金の指環が再びラインの川底に還る愛憎ドラマの完結編。
「ワルキューレ」同様にこちらも名曲が満載で「ジークフリートのラインへの旅」
「ジークフリートの葬送行進曲」「ブリュンヒルデの自己犠牲」など全曲を聴かなくても
クナッパーツブッシュやショルティ指揮の演奏などで親しんではきましたが、やはり物語を順序立てて聴くと
一味も二味も違います。
第1幕は運命の女神ノルンたちのこの先の出来事を暗示するかのような綱編みのシーンから始まりジークフリートがブリュンヒルデに旅に出る事を告げて幕へ。
第2幕、旅の途中にアルベリヒの息子達グンター、ハーゲン、グートルーネ兄弟妹、と出会い秘薬によりグートルーネと結婚する羽目になる。そしてブリュンヒルデは危うくグンターと結婚へ。
そして第3幕、指環を狙うハーゲンの手によりジークフリートは殺される。
やがて真実を知ったブリュンヒルデは指環もろとも炎に包まれるジークフリートの許へ身を投げる。
舞台袖でアルベリヒが佇むそば、ラインの乙女たちが現れ指環が還ったことを暗示するシーンで幕となる筈・・・でしたが
ここで思わぬクプファーの演出にびっくり。。。
現代風の衣裳を着た人たちがテレビを抱えて舞台へ現れそれぞれが、そのテレビに見入る中
男の子がその群集たちの中の一人の女の子をエスコートして下されたカーテン(幕)の外を
去っていく。
クプファーの演出は何かを示唆、暗示をしているのかも知れませんが管理人にとって
やっと聴き終えた疲れた頭ではその意図を考える気も起きなかったのが正直なところ、
”感動的な幕切れの音楽の最中に余計な事をして水を注すな”が実感。(笑)
前作で巨人族ファフナー(大蛇)を演じたカーンが今回の重要な役ハーゲンを朗々とした声量と演技で応え、ジークフリート役のイェルザレムも好演、やはり最後のブリュンヒルデの自己犠牲で見せ場を作ったアン・エヴァンズにも拍手です。今や堂々の貫禄を見せるヴァルトラウト・マイアーがワルキューレ戦士の一人ヴァルトラウテ役で新鮮でした。
「ニーベルングの指環」おかげさまで「完」。
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最終更新日
2007年08月18日 20時11分26秒
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