小澤征爾/サイトウキネン/2007
3連休の最後の日 今日は朝9時40分からBS-2で先頃9月6日71歳で亡くなったパヴァロッティさんの特集番組でプッチーニ歌劇「ラ・ボエーム」が放映されました。ロドルフォ役でパヴァロッティさん、お相手のミミには同郷のミレルラ・フレーニさん、まさに最強のコンビです。お二人の全盛期時代の素晴らしい出来映えの演奏です。他にはマルチェルロ役にジーノ・キリコ、そしてコルリーネにフレーニの夫で今は亡き不世出のバス歌手ニコライ・ギャウロフが出演、豪華メンバーです。ちなみにムゼッタにはサンドラ・パチェッティ この方の情報は生憎持ち合わせてません。T・セヴェリーニ指揮サンフランシスコ歌劇場 1988年の公演映像。*********************************さて先週のNHK-BShi放送 「小澤征爾スペシャル」から2007年9月8日長野県松本文化会館で行われたオーケストラ・コンサートから1・ラヴェル 亡き王女のためのパヴァーヌ2・デュティュー 瞬間の神秘 ~24の弦楽器、ツィンバロムと打楽器のために3・デュティュー LE TEMPS L'HORLOGE ~時間 大時計 (世界初演)4・ベルリオーズ 幻想交響曲 小澤征爾指揮サイトウキネン オーケストラメンバーには常連のライスターさん(クラ)工藤さん(フルート)ゼーガーズさん(ティンパニー)コンバスの元N響首席、池松さんが遥々ブラジルから。。。オーボエの宮本さんは現役引退で不参加ですがヴァイオリン常連の潮田さん、安芸さんのお姿も見受けられません、若手にバトン・タッチと言うことでしょうか。さてラヴェルのパヴァーヌ ホルン・ソロはアメリカ/シラキュース響の女性奏者ジュリア・パイラントさん、ややくぐもった音色ですが小澤さんのゆったりとした指揮に乗せて、たおやかな表情を奏でました。続いてアンリ・デュティューの二つの作品、「瞬間の神秘」は鮮やかな弦楽器の妙技とツィンバロンとのハーモニー、要所を締める打楽器との絶妙な調和、 そして歌姫フレミングさんを迎えての世界初演になる「時間 大時計」 メロディアスな作品ではないですがフレミングさんの卓越した表現歌唱が聴きものでした。91歳になるデュティューさんが不自由な身体ながら客席から舞台袖まで歩かれて小澤さんはじめ聴衆からの盛大な賞賛を受けていました。休憩後のベルリオーズ「幻想」 小澤さんの昔からの十八番といえる曲目ですが最近淡白な表現になったとか言われる小澤さんですが、とんでもない 実に濃厚、豪放なスケール感溢れる演奏で驚きです。弦楽器はニュアンス溢れた絶妙な表現だし管楽器ももちろん名人芸、特に4,5楽章の打楽器を含めた破壊力は凄まじいものがありました。このオケの特徴である音の均一性はもとより稀に見る爆発力に魅せられました。(5楽章の鐘は舞台裏から鳴らしておりバランスの良い響きでした。)小澤さん演奏終了後はお馴染みの舞台狭しと楽員たちと労いの握手、楽員たちは一旦ステージから退出しましたが鳴り止まぬ拍手で小澤さんと共に再び登場、一礼そしてまた一礼して舞台袖へ。サイトウキネン、楽員の若返りの時期でもあるのでしょうか、弦に限らず他のセクションでもかなり若いメンバーが目立ってきました。しかし小澤さんを軸に斎藤秀雄さんの精神は脈々とこれからも受け継がれていくのでしょう。世界に誇る非常設のオケとして小澤/サイトウキネンはアバド/ルツェルン祝祭管とともに今後も素晴らしい活動を続けて欲しいものです。