ＮＯＮＢＯＤＹの”なにいちびっとんねん!！”

あれは、かれこれ8年前ぐらいになるでしょうか？



仕事で東京にいくことになったんです。で、宿泊先はＪＲ品川のとあるビジネスホテル。部屋はシングルベッドに机とイス、冷蔵庫にテレビとビデオデッキだけと、ほんとに普通のビジネスホテルでした。



でも扉を開けて入った瞬間、なんか嫌～な感じしたんですよねぇ～。。。雰囲気っていうか、空気っていうか。背筋がゾォ～っとしましたよ。まぁ、簡単に言えば．．．．



なんかおるな。



と。



窓を開けても、全然明かりが入ってこないし、部屋の照明を全部灯しても、なんか暗い。。。あとから考えれば、外の光や照明のせいじゃなくて、空気が暗かったんでしょうね．．．。



『まぁ、安いから仕方がないか』



と、しぶしぶその部屋に泊まることにしたんです。しかし、やっぱり何か落ち着かないし、誰かに見られてるような気がするんですよね。



部屋の隅々から．．．。



実は何度か見たことあるんですよ。




『またか。。。嫌やなぁ。。。』



と思いながら、とりあえずテレビでも観て気を紛らわせるかとスイッチをつけました。



ちょっと映り悪いし。。。



いくら8年前っていっても東京品川の駅から5分のビジネスホテルのテレビが映り悪いわけないんですよ。



普通の部屋だったら。。。



ふと下を見ると、たくさんの映画のビデオが並んでいました。最近はないかもしれませんが、当時のビジネスホテルには、たくさんの映画のビデオが並んでいて、備え付けのビデオデッキで観れるようになっていたんです。でもビデオデッキの横には自販機のお金を入れる所がありまして、500円を入れないとそのビデオデッキが使えないようになるんです。ビデオは洋画から邦画、アニメなどたくさん並んでいました。もちろんＨなのもたくさんありましたよ。



っていうかＨなやつの方が多かったね♪



でも東京に着いて早々、Ｈなのは見る気もしません。しかも、こんな部屋やし。。。



なんか久しぶりに、



『酔拳』



を観たくなりました。本当ですよ。本当に『酔拳』です。Ｈなやつじゃないですよ！本当ですって！ジャッキーですって！




いつもはそうかもしれませんけど、その時はジャッキーだったんです。



サイフから500円玉を出して、ビデオデッキの横の機械に入れました。



ん？？



普通こういうのんて、『チャリン！』とか入った音しますよね。それが全然しなかったんです。当然ビデオの電源も入らず。。。で、返却レバーを押しても、お金戻って来ず。



『最悪や．．．。』



フロントに電話でもしようかと思った、その時です！！！



私の霊感が冴えに冴えわたったんです！背筋がゾォ～！っとなって冷や汗がツラ～ッと流れてきました。









エッチビデオ観ようとしてたと思われる！！！








たしかホテルのフロントは若い女性だったんです。その彼女に電話して、しかも部屋の来ようもんなら、私がＨビデオ観ようとして、500円詰まらせたって勘違いするに決まってるんです。



うわうわうわ、どおしよ！！！



返却レバーを何度もガチャガチャしましたよ！でもお金はでてこないんです！



若かった私に500円は大金です！しかも、東京のビジネスホテルで500円のあきらめるのはかなり痛いし、なんか情けない。でも絶対、



『のび太さん、不潔！！』



って思われるに違いない！迷いに迷って、、、、、思いつきました！！



いかにも『俺はＨビデオちゃうで。”酔拳”観たいんやで～』っていうアピールするために、彼女が部屋に来たときに、



クローゼットに足かけて腹筋しているとか！



上半身裸でになって腕立てしているとか！

















たぶん、逆効果。



『どんだけ観る気満々やねん！』



って思われても不思議じゃない。アカン！



じゃあ、急いで酒飲んで酔拳の型を練習しとくのは！？



完全にわざとらしいし。却下。



じゃあ、黄色のつなぎ着るのは！？





ブルース・リーやし。





おお！ええこと思いついた！香港人になりすまし、片ことの日本語で対応してみる！



『オカネデテコナイアルネ。ワタシ、ジャッキーミタイアルネ！』



。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。








『予約していたキヅキユウジですが。』



ついさっきフロントでがっつり日本語しゃべってもうた。いつも以上に。



え～い！もうこうなったら、



Ｈビデオ片手に彼女がくるのを待っていようか！



変態かっ！



全裸で待っていようか！



変態かっ！



ボックスティッシュ持って待っていようか！



変態かっ！



そのまま抱きついてやろうか！





欧、変態かっ！














結局、おとなしく電話しておとなしく待ってました。ベットになにげ～に『酔拳』のビデオ置いて。



我ながら、ナイスアイデア♪



彼女がやってきました。なにげ～に事情を説明して、なにげ～に『酔拳』ビデオを持ったりして、なにげ～にパッケージをパカパカしたりして、なにげ～に表紙を見えるようにしたり、なにげ～に広東語口ずさんでみたり。



彼女一切無視。



事務的に500円取り出し、事務的に私に返金。返金してくれる時も私の手に触れないようちょっと上ぎみから落とされましたよ。



努力一切報われず。



だから部屋に入った瞬間からなんかおるなと思ったんですよね。



こんな恐ろしい体験初めてでした。ええ勉強になりましたよ。だからそれ以降、私はよ～く注意しています。もう二度とこんな体験するの嫌ですからね！この事件以降、ビジネスホテル泊まる時、



私は絶～対に、















フロントから広東語です！












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