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Rosemama気まぐれ日記

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December 1, 2007
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ダイヤ ダイヤ ダイヤ

ついに、師走 ですね~涙ぽろり雫

あっと言う間の 1年間

色々あって、最後に 父を送ってきます

悔いのないように・・・と思ったのですが

やはり 最後までの掲載は無理のようです~ショック雫

私的には この章が一番上手く書けたと思っているんです

でも

専門家に こんな書き方をしてはいけません、と注意されましたスマイル

そんな駄作ですが・・・・

もうちょっと、気が済むまで書かせてね

 

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その2 ・ されど温泉郷 (7)

 ― 私の事が気に入らなかったのかしらそれなら不幸中の幸いだわ。それとも田舎者だから

女性の扱い方が分らないだけなのかしら。それにしても・・・、もっと何とかしてよ。女が1人で

遠路はるばる尋ねてきたってのに ―

 お土産売り場もキノコ製品で埋め尽くされている。 せっかくだから、何か買っていこうか。

 しかし、娘がキノコなんて喜ぶ訳がない。職場にキノコのお土産も様にならない。

 結局、美味しそうなミルクコロッケを買った。

 なぜ、ここでコロッケか。あまりにも空腹のせいかも知れない。

 こんな男と食事をするよりも、と思い、更にフランクフルトと缶コーヒーを買って車で食べる事にした。

 ブタ男は、「買ったかい?」 と腰をあげた。

 ― なによ、気が利かない。ホントにブタみたい ―

 「うち、行って見るかい?」。 ブタ男は平然とそう言った。

 ― 誰が行って見たいもんか。まったくも~。まてよ。もしかして、それほど自慢の御殿だとか―

 千秋の悪い癖が始まる。ブレーキが利かなくなるのだ。

 このブタ男の新築御殿が気になって仕方がない。

 牛舎だって、ここまで来たのだから参考に見てみたい。話の種に面白そうだ。

 千秋は、久々に取って置きの甘い声を出して言う。

 「私、やっぱり酪農なんて無理だと思うんです。でも~、せっかくここまで来て、こうしてお会い

できたんですもの、やっぱり、牛舎とか見てみたいわ」

 ブタ男は、形相も変えずに無愛想に言う。

 「したら、行くかい? あと、着いてきたらいい。こっちから30分くらいだから」

 ― そうかい、そうかい。着いてってやるよ。ブタ男さん ―

 ブタ男は、シルバーグレイの地味な車を発進させた。

 千秋はフランクフルトをかじり、缶コーヒーを飲みながら、ハンドル片手にブタ男の後に続く。

 千秋の好奇心は、すでに風船のように膨らんでいた。

 

 妙に懐かしく感じる札幌のネオンである。

 車線も2車線になった。

 真駒内公園が見えて来た。もう直、我家に着くだろう。

 千秋は無事、山道ラリーを経て生き残ったようだ。

 ブタ男は、交通事故で妻と子供を亡くした。と言った。

 はっきりとは話さなかったが、辛い過去に触れたくなかったのだろうか。それとも、千秋に

「交通事故ですか?」 と聞かれたから 「うん」 と頷いただけかも知れない。

 もしかしたら・・・あの生活に嫌気が差して自殺した・・・とか・・・。

 本当は、結婚暦なんてないのかも知れない。千秋の想像は際限なく続く。

 

 ブタ男が先行して走る道の前方に、とてつもなくデカイ、少なくともこの村でこれ以上の建物は

ないであろうと思われる建造物が見えて来た。

 その建物を左手に通り抜ける。

 「ん? 湯元○水亭!どこかで聞いたような。え?もしかして、あの、テレビで宣伝している?

な~~んだ、こんな所にあったのか~」

 ブタ男は、やっぱりブタである。こんな有名な温泉が、地元にあることも伝えられないのだ。

 温泉にでもいらっしゃい、と誘えば良いものを・・・。

 憤慨する千秋を尻目に、ブタ男はドンドン進んで行く。

 なだらかなスロープの横断道路をしばらく登っていくと、酪農地らしいグリーンの丘の上に

差しかかった。

 爽やかな、のどかな風景に先程までの憤慨はかき消された。

 地元の人が地元の温泉にあまり興味がないのも、札幌の住人が雪祭りに関心が薄いのと

似ているのかも知れない。憧れの人間臭い生活空間が間近にある。

 千秋の胸は張り裂けんばかりに高鳴る。

 ― 外見で判断して、ブタ男、なんて思っては失礼だわ ―

 数百メートルほど先の丘の上に、近代的な牛舎とサイロが見えて来た。

 やって来たのだ。雄大な北海道の酪農地帯。

 決して初めて見る光景ではないけれど、この日の千秋にとって、なぜかとても新鮮に身近に

感じられる。

 グリーンの丘が切れる辺りの路上でブタ男の車が止まった。

 千秋も数メートル離れて停車した。

 あそこだよ、と、伝えようとしているのだろうか。

 ― ああ、なんて素敵なんでしょう ―

 車外へ出て、大地を踏みしめる。 土臭い緑色の風が優しく包んだ。

 『風と共に去りぬ』 のスカーレット・オハラになった気分だ。思いっきり深呼吸する。

 ブタ男が車から降りてきて、片手を大きく前方に広げて叫んだ。

 「ここから先が、ずーっと、うちの土地!」

 そして、すぐさま運転席に戻ると再び車を発進させた。

 

                       ここまでで、長いことお休みさせて頂きますショック nonmama    

 

 

            

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






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Last updated  December 6, 2007 06:42:46 PM
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