のぽねこミステリ館

2021/10/06(水)22:40

黒田研二『ウェディング・ドレス』

本の感想(か行の作家)(130)

黒田研二『ウェディング・ドレス』 ~講談社ノベルス、2000年~  第16回メフィスト賞受賞作。黒田研二さんのデビュー作の長編です。  それでは、簡単に内容紹介と感想を。 ―――  ユウ君から結婚を申し込まれた私だが、結婚式の日、事件は起こる。  指輪を忘れてしまったと取りに帰ったユウ君がいつまで経っても教会に戻ってこない。心配になった私に連絡が入り、ユウ君が電車に轢かれてしまったという。彼の会社の同僚を名乗る人物に病院に送ってもらおうとするが、彼らは病院には行かず、私を粗末な小屋に連れていき乱暴する。  私は、ユウ君への復讐を決意する。私を尾行する男たちの目的は。彼の関係会社にある「特別事業部」の秘密とは。友人たちの協力を得ながら、真相に近づこうとするが…。 ―――  という「私」パートと、ユウ君が一人称のパートの2つが交互に語られ、物語は奇妙な違和感を見せながら進んでいきます。その違和感が解消され、真相が示される終盤のすごさが読みどころです。  久々の再読で、大きな仕掛けは印象に残っていましたが、あらためて驚きを感じられる部分もあり、面白かったです。(2021.07.15読了)​・か行の作家一覧へ​

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