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晴れ、ときどきトレード日記

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2004年10月21日
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カテゴリ:カテゴリ未分類
我が家も床下まであと15cmくらいに水がきていた。

でも、これって前と同じだよな。不思議とこれ以上に水位が上がってこない。
ちょっと気になったので、家の周りを点検してみると、裏庭の格子塀から、裏の竹林へ向かって、水がジャンジャン流れていた。
15cmが塀を乗り越える臨界点だったのか、と一人合点する。

戸締りや着替え、日経平均の価格などをチェック。
入浴しようと浴槽に湯を貯め始めた時、携帯が鳴った。
「帰って早々で悪いが、人手が要るので戻ってくれないか。」
団長からお願いされては、行かざるを得ない。再びカッパに袖を通した。

自主避難したいと申し出てきたお年寄りを、公民館に送ったのは、夜10時近くだったろうか。
公民館から出ようとすると、最初に浸水した家の奥さんに呼び止められた。
どうやら、おばあさんが公民館を嫌がり、近所の家泊まらせてもらうと、出て行ったのだが、まだ着いてないらしい。
車で出て行ったので、大丈夫だと思うが、途中ドブにでもはハマっていないか、見てくれ、と頼まれる。

それではと、詰め所に戻るルートの途中、気をつけて見ることにした。
途中数ヶ所、ドブが見えにくいポイントがあるのだが、そこにはいなかった。
そのまま詰め所に向かって、川になっている道を登っていくと、例の浸水した家の道の脇に、車が止めてあった。
日の丸のステッカーが貼ってあるので、すぐ分かる

車を降りて、運転席を覗き込むが、バアさんはいない。
え?っと思って周りを見回すが人気はない。無事、知り合いの家に着いたのだろうか?

その時ちょっと予感めいたものがあって、車に戻り、懐中電灯を持ち出す。
浸水した家の坂を照らすと、おばあさんが水に半身浸かって、ジッとしていた。
箱のようなモノを片手に抱え込んでいて、それが邪魔で坂を這い登れないようだ。

とにかく声を掛けると、小さい声で「上に上げてくれ」と言う。
土嚢に懐中電灯を固定し、坂を下る。途中の木を支えにして、おばあさんの手をつかみ、引き上げた。

車に戻って事情を聞くと、何か大事なモノを、家に取りに帰ったそうだ。
その何かを手に持っていたが、それが何なのかは、とうとう見せてくれなかった。
そしてこのことは、誰にも、家族にも絶対言わないでくれ、と念を押されてしまった。

送っていくと何度も言ったが、もう絶対大丈夫、公民館に戻るからと言い張られ、
仕方なくバアさんの車まで付き添う。
バアさんは、エンジンを掛けながら
「・・・あんたが声掛けてくれなかったら、あのまま死んでいたかもしれん。ワシから声を掛けるつもりはなかったし・・・でもありがとう。」
と消え入りそうな声で、言った。

この夜はポンプ出動2回、倒木処理1回。
ようやく帰宅できたのは、翌朝の7時くらいだった。


日記を書いている今、ヤンキースは奇跡の逆転4タテを喰らい、保有していた日経平均のポジションは
約20万円の損が出ている。
オマケに今朝風呂に入ったら、なぜか追い炊き機能が壊れてしまっていた。

四面楚歌もいいところだが、全く落ち込んでいない。
それどころか、気力が湧き上がってきてしょうがない。

生きてさえいれば、いくらでも挽回できるじゃないですか。





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最終更新日  2004年10月21日 21時31分35秒
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