近いけどやっかい -せにーのの学校-
引越しをしたため、せにーのの学校が替わった。家の前なので、一人で行ける。前の学校は3キロ近く離れていたので、スクールバスか車で送り迎えをしなければならなかった。しかし、利点はこれだけ。イタリアの公立学校は、週5日制で4時半まで授業がある学校と、週6日制で1時半で授業が終わる学校とに分かれる。週5日制の学校は給食付で、給食代1日約1,4ユーロを払うだけである。夕方まで授業があるため平日に宿題を与えられることはほとんどない。ところがせにーのが通う学校のように週6日制の学校は、半日しか授業をしないだけあって、毎日まいにち宿題を山のように持って帰ってくる。1時半に終わるため給食はなく、家で昼食を用意しなければならない。外部のサービスが給食付で3時まで子供を学校で預かってくれるが、給食代が1日3,4ユーロとそれ以外に月謝がかかり、最終的には月に約100ユーロの出費になる。しかしなんといっても一番のガンなのは、土曜日に学校があるということ。今までのように、週末を金曜日の夕方から満喫することができなくなってしまった。この学校を選んだのは、もちろんまあだ。 私の、“半日の学校は何かと不便”と言う意見を“近いほうがいい”と押し切ってほとんど強引に決めてしまった。そのまあも、いまさらではあるが、私の言った“不便さ”を感じ始めた。先日、友人のテレマコがトレッキングに行こうと電話をしてきた。“金曜の夕方キミのうちに泊まって、土曜日の朝早くトレッキングに出よう。で、日曜日の昼前に家に帰るよ。”などと言っているので、土曜日はせにーのの学校があると教えてあげた。また、天気のいい土曜日にゆみーなと散歩に出たとき、“はー、せにーののお迎えがなければなー近くにおいしいレストランがあるのに…”ともらした。後のことをよく考えずに物事を決めてしまうのはまあの悪い癖である。買ってしまった物品ならば、押入れに隠しておしまいなのだが、学校となると、そうはいかない。私は毎日宿題の手伝いをしながら、まあは土曜日の午前中を無駄に過ごしながら、少なくとも来年の6月までは“近いけどやっかい”を目の当たりにしなければならないのだ。