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カテゴリ:感想【小説】
お名前も始めて目にした作家さんですが、紹介文の 最後から二行目(絶対に先に読まないで!)で、本書は全く違った物語に変貌する。 の一言に魅かれて買いました。
どんなどんでんがえしがあるんだろう、とワクワク。 映画だけど、「ユージュアル・サスペクツ」とか「ゲーム」とか、ああいう「やられた~~~」ってなるやつが大好きです。(マゾ気質だから?) この作品にはそれらと違ってミステリ要素、サスペンス要素はありませんが(紹介文には「傑作ミステリー」ってあるけど;)、確かに最後の最後で「えええええ~~~!」とひっくり返ること請け合いです。 ストーリー自体はそんなに大した話ではないんですが、その「してやられた」感を味わってみたい方にはオススメ。 「必ず二回読みたくなる」というのも嘘ではなかった。 「読みたくなる」というよりは「読み返さずにはいられない!」という感じでした。 ※以下、激しくネタバレしますので、これから読んでみようかな、という方は回れ右でお願いします。 ストーリー自体はなんてことない、あるカップルの出会いから破局までを描いた話(という立て付け)。 前半後半をside-A、side-Bという風に分けて、各章にはおそらく小説の時代設定である1980年代(?)当時の流行曲のタイトルが章タイトルになっています。 全部は分からないけど例えばside-Aの6章は「君だけに」、side-Bの5章は「ルビーの指輪」とかね。 side-Aは、女性があまり得意ではない1人の純朴な大学生の男の子(鈴木くん)が、生まれて初めて合コンに参加するところから始まり、1人の女の子(マユちゃん)に恋をして、両想いになって、初体験、というほのぼのラブラブなお話。 お互いなんて呼び合おっか?とか言っちゃって初々しいったらありゃあしない! デートの度にお互いオススメの本を貸しあったりと楽しげ。 鈴木くんが彼女のために、メガネをコンタクトにしたり、お洒落に目覚めたり、車の免許を取ったり、と頑張る姿が微笑ましい。 そしてside-Bでは就職した鈴木くんが地元・静岡から東京に異動になって遠恋がスタートするところから始まり、はじめのうちはマユに会うために頑張るんだけど段々そんな生活に疲れてきて、そんな中、同僚の女性からのアプローチにあい関係を持ってしまったり、マユの妊娠・中絶といった出来事を経て破局を迎える。 釣った魚に餌はやらない、ではないですが、最初はあんなにマユを一途に思っていた鈴木くんが徐々に変わっていってしまう過程が、ものすごくありがち、というか、男ってやつはこれだから!と憤慨したくなります。 ひたすら”待つ女”なマユにも同情。 でもまぁよくありそうなストーリーで、さくさく読める代わりにそんなに面白くもないというか。 最後に何かある、という期待感がなければあくびが出そうなお話でもあります。 読んでる間中、なにがあるんだろう、もしかして全て鈴木くんの妄想でしたとかいう夢オチか?!などと想像していたのですが、最後の最後、やられました! 最後の二行、というより正確には最後のページに入ったところで、 「あれ???」 となって、最後の二行で 「えええええ!どういうこと?!そういうこと?!!」 みたいな。 今まで男の心変わりを描いた小説だと思ってたのが、一気に逆転し、 マユ、怖ぇ~~~~~!!! と、計算されつくした魔性の女を描いていたことに気付かされるわけです。 そういえば、途中「ん?」と思わされるところがないわけでもなかった。 そう思うと、いろいろ確認するためにもう一回読み直せざるをえない。 読み直すと、ああ、これも、これも、これも伏線か!と気付けて、最初読んだ時とは全く違った楽しみ方ができる。 いや~、こういうこと出来ちゃう女っているんだよね、実際!怖い怖い! side-Aの鈴木くんがside-Bの鈴木くんになってループしそうなのがまた怖い。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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読んでみますね(^^)
(2008/01/22 08:37:14 PM)
読んでみられますか?
・・・でもあんまり期待はしないでくださいねf^^; 仕掛けは面白かったですが、ストーリー自体はその辺で聞いたことありそうな話で退屈かもしれないので・・・; (2008/01/23 10:51:28 PM) |