東京高等裁判所
に行ってきました。いや、別に特に何があったわけじゃないんですが(笑)前々から裁判って言うものを見たかっただけです。今回見た事案は「覚せい剤所持により麻薬取締法違反」被告は36歳の無職男性。んで、15:30より開廷とりあえず「手錠」をして被告人が入廷。この時点でちょっとリアルな感じがした。ただ、この裁判はもう被告人も完全に罪を認めてるし後は、判決を待つだけなのですごく淡々と進んでた。それこそ20分チョットで終わっちゃったし。その中で検察官がさらさらと経歴なんかを読んでたんだけど高卒で雀荘なんかで働く。その後義父ができ本籍がかわったらしい。現在無職、前科なし。この三行の中でこの人はどういう人生を歩んできたかってのをいろいろ考えてしまった。なんでかっていうと検察官が説教っぽくいろいろと被告人に言ってたんだけど、その検察官と被告人の立場を考えたらねえ。検察官はきっと大学までまがりなりにもストレートでいって検察官っていうそれなりの職業についてる。きっと何事も結果的には無事に来たんだろう。もちろんその人なりに苦労はあったんだろうけど。一方。被告人高卒で雀荘などで働く。義父ができたため本籍が変わる。。ん~、何があったかって考えると検察官とは全然違う人生だったろうなと。検察官はそういう仕事だからいろいろ「社会の道理」なんて振りかざせるだろうけど、いつでも「社会の道理」を守れる人間なんて「余裕のある人間」だけだと思う。むかついてたらどうでもいいことに怒るだろうし。理不尽な目に何年もあいつづけたら世の中が恨めしくなるだろう。今回の被告は別にそんなに重罪でなく拾った財布の中に入っていた覚せい剤を興味本位で使用したとのこと。ただ、今日のやりとりの中で一番印象的だったのはそこかな。裁判官と弁護人は比較的冷静だったし。とにかく検察官の人は若干ではあったけど「社会の正義」というのを意識しすぎていたと思うし、それに皆が従えないのはあたりまえ。どうしたった世の中全員がうまくいくわけないし、だからそこからあぶれた人がなんらかの犯罪を起こすことはあると思う。特に軽犯罪に関しては。ただ、だから軽犯罪が起こるのがしょうがないということではなくて被告に対して説教をするのではなくて立ち直れるよう背中を押すようなことを言えなかったのかなと。「君にもいろいろあると思う。でも、これから頑張ればまた人生変わるかもしれないから諦めないでね。」そういう風に背中を少しでも押してあげればなあと。実際に検察官が言ったのは「裁判官も弁護人も君がまた再犯しないか心配してるんだよ。これからやらないってちゃんと誓えるよね。」裁判官も弁護人も~~の時点で自分の意見であることを投げてるし。たった1分にも満たない言葉だったけど、すごく大切だと思った。そして、全然関係ないけど、今日は裁判に行ったお陰かずいぶんと背筋がしっかりした気がした。ああいう厳かな雰囲気のところにいくとなんだか自分自身律されるね。また行こうかなと思う。今度は一人ではあんまり行きたくないけど(笑)