10代後半で非行に走る者、自分を見失う者・・・そんな少年少女を助ける教師。
この番組を見ていて、最初のうちは『水谷先生のとこに来る若者ってバカじゃないの?』と思った。
突っ張って、カッコイイからドラックして、最後は助けを求める・・・自業自得じゃないの?
同世代の人間として最初は、呆れ顔で見ていた。
しかし、そんな簡単な問題では無かったのだ。
親から愛してもらえず、自己表現のために非行に走る少年たちの姿を見ると考えさせられた。
もちろん、彼らの行動を肯定するわけではない。しかし、水谷先生は彼らの気持ちを理解している。
僕は、水谷先生の講演の中で一番、印象に残っている部分がある。
『私は、教員を23年間務めてきたが一度も生徒を怒った事は無い』
『そして、私自身も余命が少ない重い病を患っているが若者たちの更正のために頑張っている』
なぜ、ここまで水谷先生は頑張るのだろうか?
それは今から13年前に起こった悲惨な事故が、きっかけだった。
水谷先生は教え子のドラック(シンナー)中毒を止める事が出来なかったことがあったのだ。
その教え子は、幻覚からかダンプに自ら飛び込んで即死したらしい。
その後、亡くなった生徒さんを火葬したときに驚いた。 遺骨が残っていないのだ!
薬物・・・もと言いシンナーは、骨をボロボロにしてしまう。骨は完全に無かったのだ。
また、揮発性の高いシンナーを吸っていたので火葬したときに骨も完全に燃え尽きてしまった。
それから、水谷先生は非行に走る子供たちを一人でも助けようと頑張っているのだ。
それなのに若者は助けは求めても自分で抑止しようという気持ちが無い。
『ドラックは止められない・・・』、『中毒は治したいけどバイトがあるから入院しない』
確かにドラックの後遺中毒は、簡単に断ち切れるものでは無い。依存症になるのだ。
だが、バイトと自分どちらが大事なのか?この判断は、依存症のせいでは無く意思が弱いのだ。
そして、自分の思うように行かなくなったら『あのウゼー先生のせいだ!!』と逆ギレする。
水谷先生曰く、今の若者の精神年齢は小学生と同じレベルだと言う。
もちろん、全ての若者が、そういう訳では無い。ごく一部の非行に走っている者だ。
よく『心理テストで分かる精神年齢』とか言ってネットで検査しているけど、それとは違う。
それ以前に、根本的な社会的感性などが欠如しているのだ。
しかし、そんな若者を本気で助けようとしている水谷先生の姿には感服するあまりである。
テレビに出てきた若者もNozomiと同じ世代・・・。僕は、間違っても非行には走らない。
当然のことだが、それはカッコ良くもない最低の行動だからだ。
繁華街を歩くNozomiと同世代の若者を見て、ふと思った・・・。
夜回り先生・水谷修のメッセージ~いいもんだよ、生きるって~【NSDS-8684】
夜回り先生 ( 著者: 水谷修 | 出版社: サンクチュアリ・パブリッシング )