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カテゴリ:読み物
リオです。
なんでしょうか、夕方になったら急に寒くなりました。 昼間は結構暖かかったはずなんだけどな。 足首が冷えてちょっと痛い感じです。 風も強いし。 まだお腹出して寝るには早いかもしれません。 リオでした! ------------------------------ 「お熱いのがお好き」 香ばしいトマトとジェノバの香りと活気にあふれた店内。 コック帽子をかぶった欧州人のスタッフが笑顔でテーブルの間を歩いている。 太一に誘われてカナコはイタリア料理の店に来ていた。 「でさ、太一はどう思う。主任のこと」 「そ、そう言われてもなあ。変に期待してただの飲み友達でいましょうだったらきついし、やめとけばいいよ。うん。ひょっとしたらオカマかもしれんしな。やめとけやめとけ」 なぜそういう発想になるのかと、カナコは頼りない太一にため息を送る。 「オマタセシマシター。トウフノマルゲリータデース」 陽気な笑顔のコックが泡立つトマトソースのピザを運んできた。 「確かおごりだったよね、太一」 「おうよ」 「えっと、追加でこのワインと、あとナスとペンネのピザ、それにアップルピザをお願いします」 「アリガトゴザマース」 来たときよりも陽気にシェフはキッチンに戻っていく。 「マジカ!」 「マジよ。さってっと、冷めないうちにいっただっきまーす」 薄生地の上にトマトソースが引かれ、千切り豆腐が撒かれている間にバジルの葉が添えられていた。 「うん。おいしー。ありがとね、太一。悩みに付き合ってくれただけじゃなくて、奢ってもくれるなんて。あんたいい男ねえ」 「お、おうさ。主任とかいうやつよりずっといい男だぜ」 かっこつけて胸を張る太一。だが、カナコにはちょっと頼りなく見えた。 「どうなるかわからないけど、もう少し様子見しながら仕事していくわ。あんたもエリカと仲良くするのよ。ちょっとオバカだけどいい子だからね」 「あ、あぁ。そのことなん……」 「うーん、やっぱりこの店いいわ。早くワインこないかなー」 太一はカナコの嬉しそうな顔を見て、言いたい言葉を飲み込んだ。 今はこの笑顔を見ていたい、太一はそう思った。 「俺にもちょっと飲ませろよ」 「ちょっとだけだよー」 「俺のおごりだっつーの」 二人は昔から変わらない笑みを交わした。 ------------------------------ 「お熱いのがお好き」 end. ![]() アルチェネロ トマトソース・バジル入り ![]() アルチェネロ トマトソース・トスカーナ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011年05月31日 18時17分13秒
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