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カテゴリ:わからないこと
同僚の鈴木(仮称)さんに 徴集の命がきた。
二人の勤め先の会社でも 彼のアパートのある町内会でも 歓送 会が開かれた。 鈴木さんには、彼自身がかつて住んでいたアパートの紹介もしても らったし、いろいろとお世話になっているので、出立の日 数時間 かけて列車に乗り継いでO市まで行き 彼を見送った。 それから しばらく経った。 ある夜 トイレに行きたくなってふと見ると・・・・・ 部屋の入り口に 鈴木さんが 軍服姿で立っている。 窓からさしこむ月光で その軍服はびっしょりぬれて光っている。 「鈴木さん」と声をかけようとするが 声にならない。 彼は 無表情に 見えた・・・・・。 気がつくと 夜は明けている。 その朝アパートの大家さんに 鈴木さんの話をした。 すると 大家さんも 鈴木さんの夢を見たと言う。 それから 約半年後 鈴木さんのご実家から 手紙が来た。 「鈴木○○の乗り込んだ輸送船は 数ヶ月まえ 遠方へ行く途上 撃沈されました。これまでの ご厚情に 感謝申しあげます」 と書かれていた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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