花夜

2018/10/05(金)19:45

28話 【記憶の鎖】

Gentleman(シリーズ1)(30)

←27話┃ ● ┃29話→ 28話 (歴) 【記憶の鎖】―キオクノクサリ―   1:今 鉛色に塗りたくられた世界の中で、ひとりの少女が泣いている。泣き声とともに聴こえてくるのは遠雷の音だろうか。少女が静かにこちらを見た。歳の頃は10くらいのようだ。思わず手を差し伸べたいと思った。だって、ここには彼女の他に、私しかいないから。彼女を慰めてあげられるのは、私だけしかいない。「ねぇ、どうして泣いてるの?」「……怖いの。お兄ちゃん、どこ? お兄ちゃん」「もう泣かないで。泣きやんで……10歳の歴(わたし)」 そんな夢を、見た。  *** 流れる涙が原因で目が覚めた。鼻が詰まってしまい、うまく呼吸が出来なくて。夜中も風を感じていたいという理由でわずかに開放していた窓からは、叩きつけるような雨音が聴こえてくる。その雨粒が部屋の中まで吹き込み、床をじわりと濡らしていた。慌てて窓を閉め、応急処置として濡れた箇所をティッシュで拭きとった。作業を終えると、寝起きでまだけだるい状態にある身体に活を入れて洗面台に向かった。顔を洗って、さっぱりしたかったのだ。タオルで顔を拭きながらベッドへ戻り、照明を控えめな色にし、時計を見る。針は5時を指していた。咽喉の渇きに気付いた途端、コーヒーが恋しくなった。自分を慰めるには甘さも必要で、作り終えたマグカップの中身はカフェ・オ・レ。ちびりちびりと、舐めるように、少しずつ口内へ。まろやかさを味わいながら、しばらくベッドの端に腰掛けていた。夢の内容を、敢えて思い出そうとは思わない。夢を見ながら泣いたのだ。大方、切なくなるような内容だったのだろう。夢の中では誰かが泣いていたような気もする。それが誰だったのかは曖昧模糊としていて、記憶を手繰り寄せるのに苦労しそうだ。それよりかは、雨の音、カフェインの味、ゆっくりと時が刻まれて行くのを、五感で味わっていたかった。どれくらいの間、そうしていただろう? 気付けばマグカップの中は空。ふと視界にチカチカ光るものがあり、そちらに目を向けると、携帯電話の着信メールを知らせるランプが点っていた。マグカップをテーブルの上に置き、携帯電話に手を伸ばす。2件のメールに共通する『HAPPY BIRTHDAY』なる件名。9月1日、私の誕生日。「あ、そっか……」我ながら、間の抜けた独り言だった。メールを1通ずつ確認する。0時に麻生さん。デコメをふんだんにあしらったポップな仕様に、思わず「わぁ……!」と感嘆の声が漏れた。そして、驚いたことに同じく0時丁度に柾さん。簡素ながら、丁寧な文章で祝福のメッセージが並んでいる。会話口調と掛け離れているので、こういうやり取りは、なんだか少し、くすぐったい。二人から送って貰えるとは思わなかったから驚いた。まさに嬉し過ぎる誤算だ。どうあっても心が浮き立ち、顔が緩んでしまう。今度会ったら、お礼を言わなければ。その前にメールも返したいところだけど、時間が早すぎるので、もう少しだけ待とう。「……そう言えば、今日はお母さんがケーキを送ってくれるって言ってたっけ」ふと、ノイズ掛かった記憶が頭を掠めた。ケーキ――10歳の頃の私。「……!」そうだ。私が見た夢は、これだったのだ。たんに夢を見たのではなく、昔の思い出を、夢という手段で回顧していたのだ……。  2:過去 9月1日は小学校の始業式だった。昼前には行事が終わる。鍵っ子である私は、普段から夕方まで小学校の隣りに建てられた児童館で過ごすようにしていた。18時頃、いつものように兄が迎えに来てくれた。兄の歩く速度は早く、後ろをついて行くのがやっとだ。たまに小走りにならないと追い付かないときもある。そんなとき、「お兄ちゃん、待って」と呼び掛けるのだけど、兄は煩わしいのか、舌打ちをしつつも足を止めるのだった。その日も特に会話らしい会話もなく、帰路についた。年が離れているせいもあるし、異性の兄妹なので共通点も少ないのだ。ただし、帰宅してからは違った。キッチンに母が用意したであろうチョコレートのホールケーキが置いてあったのだ。板チョコには≪れき10才おめでとう!≫と、白い文字が書かれている。私のためのケーキ。年に一度だけ許された、自分のためのケーキだ!「わぁぁ……! ねぇ見てお兄ちゃん! これ、私のお誕生日ケーキだよ! お願いした通り、チョコの! ふふっ、嬉しいなぁ」「ケーキ? あぁそっか。お前、今日誕生日だっけ」部活帰りで疲れ果てていた兄は、ケーキを見るなり家族の人数分に切り分けることすらせず、いきなりケーキにフォークを突き刺した。私は「ダメ」と鋭く言って、ケーキを取り上げた。睨み付けると、兄も負けじと睨み返してきた。「別に良いだろ。今日は始業式が終わってからずっと部活やってたから、腹減ってるんだよ」「ダメなの! みんな揃ってから食べるの!」「そんなこと言ったって、母さんも父さんも帰りは遅くなるって言ってたぞ」「イヤだ! 私、待ってるもん! お兄ちゃんも待つの」「強情なヤツだな! 良いんだよ、待たなくて。待ってたって、9時とか10時にしか帰って来ないんだぞ」「イヤなのー!」「強情だな。貸せよ!」「イヤイヤ! これは私のだもん!」「俺の分ぐらい良いだろ!?」「一緒に食べるんだもん! 一緒に食べなきゃ美味しくないんだもん!」「味なんか一緒だ! この……っ、分からず屋!」カッとなった兄が、私の肩を押しのける。片や、空腹の極限にいた高校男児。力加減など頭にない。私はよろめいてバランスを崩した。その拍子に、必死に庇ったケーキが床に落ちる。綺麗なマーブル模様を描いていたチョコレートケーキ。板チョコに書かれた私の名前とメッセージ。全てが一瞬にして原型を失くした。兄の、息を飲む音が聴こえた。成人を迎えた今ならば、そのとき兄が感じたであろう『後ろめたさ』を汲み取れただろう。けれど、当時の私はやっと二桁に届いたばかりのおさなごだった。兄の行為は許せるものではなく、惨めな己を憐れむだけで精一杯だった。「ふぇ……っ。ふえぇ」どうしてこんなことになってしまったんだろう。ただみんなと一緒に食べたかっただけなのに。同じ時間を共有したかっただけなのに。それら全てを踏みにじったのは、年の割に幼稚だった兄の軽率さと、貪欲なまでの食欲のせいだった。「いやぁぁ……っ」突き付けられた現実は到底受け入れがたく、否定したかったのだろう。「いやだ」とか「なんで」とか、そんな言葉を呟いていた気がする。呪詛という名の矛先は兄に向かった。だって、兄が悪いのだから。「お兄ちゃんのばかっ! どっか行っちゃえ。大っきらい! 返してよ! 私のケーキ、返して……っ!」力の限り叫んだ。喚いた。泣き散らした。憎んだ。悲しんだ。負の感情が兄を責める。兄は何も言わなかった。私に対してなだめもしなければ、怒りもしなかった。謝罪の言葉もない。ただ無言のまま、突っ立っていた。「うわぁぁぁん」から「ひーん」という泣き方に変わった頃、兄は動いた。腹に力いっぱいの拳を食らったかのような苦痛な表情をしたかと思うと、踵を返し、家から飛び出して行ったのだ。一人取り残された私は、そのまま泣き続けていた。こんな不幸な10歳児はこの世に私だけだろうと、世界から見たらとても傲慢な不幸を感じていた。ケーキが勿体なくて、食べれやしないかと手を伸ばした。板チョコは粉々に割れ、苺は潰れてしまっている。どだい無理な話だった。唯一無事だったのは、机の上、袋に入ったまま置かれていたロウソク。色とりどりの細長いロウソクの数は、全部で10本だった。19時を過ぎても兄は帰って来なかった。父と母は今日に限って仕事で遅い。兄が帰って来ないことを両親に伝えるべきなのだろうが、ケーキの残骸が頭にちらつき、「電話などしてやるものか」と意地を張った。浴槽に湯を張り、入浴を済ますと、既に20時を回り、さすがに不安になってきた。兄が塾に通う日などは、私一人で留守番をすることもあった。けれど今回は勝手が違う。兄は、私との喧嘩が原因で家を飛び出したのだ。このまま二度と帰って来ないのでは? そんなことはない、兄は帰って来る。そんな問答を延々と心の中で繰り返していた。さらに1時間が経つと、今度は心細くなってきた。失うのはケーキだけで十分。兄もだなんてイヤだ……。両親へ電話をしようと受話器に手を伸ばすと、ゴロゴロ……という地響きが家の土台を駆け巡った。私が最も苦手とする雷である。どうしようどうしよう怖いよお兄ちゃん助けて!べそをかきながら、心の中で叫ぶ。受話器を持つ手が震えた。パリ、と乾いた音を立てながら、比較的近くに落ちる雷。もはや電話どころではなかった。部屋の移動もままならない。その場にうずくまるしかなかった。兄はどうしているのだろう? 傘は持っているだろうか? 雷が直撃してやいないだろうか? 最悪のシチュエーションが頭をよぎる。「……ゃん、おにーちゃぁん……っ」はちきれんばかりの恐怖におののいて、私は泣いた。  3:今 あの頃の私は、兄がいなければ何も出来ない弱虫な少女だった。常に兄の背に隠れて行動し、おどおどしていた。クラスの男子の意地悪に、見かねた兄が助け舟を出してくれたことだって、数え切れないほどある。兄がいてくれたからこそ、私はやってこれたのだ。その兄に見放されてしまったら、私は自分の殻に閉じこもったままに違いなかった。あの雷の日――私はどうしただろう? 今思い出そうとしても、To be continuedと打たれた映画のように記憶が曖昧だ。 結論から言えば、兄は生きている。雷雨の中、無事に帰って来た。今になって、「夢」という形で在りし日の悪夢を思い出したのは、兄に何か遭ったからだろうか? これは虫の知らせなのだろうか。携帯電話で兄の項目を選び、発信ボタンを押す。コール音。こんな朝早い時間だ、無視される可能性は高い。案の定、応答はなかった。それに、昔のことを思い出したからと言って胸騒ぎを覚えるのもどうかしてる。考え過ぎだろう。そう思い直して電話回線を切ったその時、耳が異音を聴き取った。玄関の方から何かが擦れる音がしたような気がして、私は玄関に向かう。外、だろうか。試しにドアを開けてみると、ドアの横、もたれかかるように体操座りの姿勢で頭を垂れている人物がいた。(だ……誰っ!?)よく見れば、背広姿だ。恰幅から察するに男性だろう。具合が悪くて突っ伏しているというより、単にその姿勢のまま寝ているように見える。こんな所でどうしたのだろう。まだまだ残暑厳しい9月とはいえ、このままここにいたら、風邪をひきかねない。勇気を奮い起し、小声で「あのぅ……もしもし? 大丈夫ですか?」と尋ねてみる。「……ん……?」男性はゆっくり頭を上げると、私に視線を絡めてきた。私を認識するなり相好を崩し、満面の笑みでこう告げる。「あ……。やぁ、おはよう、歴」「!!」来客の正体を認識した瞬間、私の頭の中に、鮮やかなビジョンが流れてきた。あの夢の続き。すなわち――雷に怯えていたシーンの、続編だ。  4:過去 またもや近くに雷が落ち、このまま無事に一夜を過ごせないかもしれないと、不安でどうにかなりそうな時だった。「レキちゃん!」いとこがもどかし気にカッパと靴を脱ぎ捨てながら駆けつけ、私を抱き締める。「大丈夫だった!?」「お、おねえちゃん? どうしてここに?」「もう大丈夫だからね、安心して。お姉ちゃんが来たからもう大丈夫よ。一緒にいるからね」いとこの存在がどんなに心強かったことか。――否、気が緩んだせいで、涙の量は俄然増してしまったけれど。「ヒカおねえちゃん……。あのね、お兄ちゃんがお家を出て行っちゃったの……どこかに行ったまま、帰って来ないのぉ」「大丈夫よ。ナギ君ね、私の家にいるから」「おねえちゃんのお家?」私の身長に合わせてしゃがみ、下から覗きこみながら、いとこは優しく言った。「すごーく反省してたよ。ものすごく悲しい顔してた。レキちゃんに悪いことしちゃったって、本人も気付いてるんだよ」私に対し、分かりやすい言葉を選びながら、お姉さんは兄をフォローしたものだった。お姉さんが言うには、兄は家を飛び出して行った後、2キロ離れた場所にある従姉妹の住まいまで走ったとのことだった。部活をこなした後だと言うのに、そのスタミナの残量には驚かされる。よほど我武者羅だったに違いない。急な訪問こそ異変の証拠。違和感を察知したいとこは、無言を貫く兄を追及したりせず、まずはタオルと温かい飲み物を与え、落ち着かせる時間を与えた。20分経った頃、兄がおもむろに口を開いた。「妹の誕生日を台無しにしてしまったのだ」と。事情を知ったいとこは、雷雨の中、私を心配して自転車で駆け付けてくれたのだった――。「私、もう怒ってないよ。お兄ちゃんに会いたい」「じゃあ仲直りだね。今から私のお母さんに電話して、送って貰うね」「うん。おねえちゃん、ありがとう……」「どう致しまして」 1時間後、おばに連れられ帰って来た兄は、目を少しだけ赤く腫らしていた。うさぎさんみたいだ、と子供ながらに思った私である。兄は私を躊躇いがちに見た。私は気まずさを感じていた。大丈夫だと聞かされてきたものの、怒られるのでは? と恐れたのだ。おばに「ほら」と促された兄は、渋々と私に小さなブーケを寄こした。白い花びらが特徴の、鼻腔くすぐるカモミールの束だった。「歴ちゃん。カモミールの花言葉はね、『仲直り』なのよ」おばがこっそり教えてくれた。  5:今 「兄さん!」驚く私の目の前で、すっくと立ち上がったのは実の兄だった。長身痩躯の背広マン。六四分けの前髪――四割が右目に少しかかる位置、残りの六割は左目を鋭く見せるため後ろへ撫で付けられている――は黒く艶めいている。ブランドの小物を愛用するところも変わっていないようだ。兄は中学・高校時代と硬派な野球男児だった。趣旨替えは大学を入学してから。女性を意識し始めたのか、急にお洒落になった。「歴、誕生日おめでとう」友人に「あの笑顔を独占したい」とからかわれた曰くつきの顔で兄は笑う。同時に差し出されたのは薔薇の花束。「あぁ、あと、これもプレゼントだ」スエード調の小箱をスラックスのポケットから取り出すと、私に押し付ける。「ちょっと待って! えぇっと……これってどういうことなの??? 取り敢えず……そうね、あがらない?」「いいのか?」「いいも何も、こんな場所で立ち話なんて論外だわ。入って」心なしか、部屋に上がれて喜んでいる気がしないでもない。興味津々とばかりに部屋を見渡している。「兄さん、何か飲む? コーヒーでも淹れようか?」「あぁ、お願いするよ」兄は私のベッドがある方をちらりと見た。まるで誰かいないか探るかのように。やれやれ、過保護さは未だ健在のようだ。「まだ6時台よ。突然どうしたの?」「どうしたなんて心外だな。お前の誕生日だから会いに来たっていうのに」「会いにって……。一体いつからそこにいたの?」「30分くらい前じゃなかったかな。チャイムを鳴らせば両隣の部屋の住人に迷惑が掛かる。そう思ったら鳴らすのも気が引けてね。まぁプレゼントを渡したかっただけだから、お前が部屋から出てくるまで待てばいいかと思って待ってたんだ。最初は壁にもたれかかってたはずなんだけどな……徹夜が続いていたもんだから、睡魔に襲われて、寝てしまってたらしい」我が兄ながら、自分勝手なのか、思いやりがあるのか、よく分からないひとだ。「せめて電話の1本でも入れてくれれば良かったのに」「ただ会いたい一心で、お前の都合を考えていなかった。すまない」私の返答次第で一喜一憂するところも変わらない。雷事件以来、私に対して随分甘くなったと思う。そして気遣うようにもなった。やたら私の異性関係を気にし始め、服装にもチェックを入れるようになった。いつだったか私がスカートを穿いて出掛けようとすると、兄は「丈が短いから着替えた方が良くないか?」と言い放つこともあった。「お前のシスコンは重症だな」とは、近くでそのやり取りを見ていた兄の友人の弁だ。シスコン――。私には兄がそうなのかよく分からないけれど、周りからすればそんな風に見えているのだろうか。考えながらもコーヒーを淹れる。さっき作ったお湯がまだ冷めていなかったので、沸騰するのも早かった。カップを兄に渡しながら、私は尋ねた。「今日は有給を取ったの。もし良ければ一緒にランチしない?」誕生日とは言っても、母が贈ってくれるはずのケーキを食べて、ゆったり過ごすつもりだった。「本当か? いいね。そうだ、『蔡庵』に予約しよう」兄はさらりと言ってのけるが、ひとり2万を超える高級料理店だ。私は卒倒しかけた。「当日予約なんて無理よ。それにそんな高級店、気遅れしちゃうわ。私が作ります」「でも誕生日だぞ? わざわざ家事なんかしなくても……」「この部屋の方が寛げるでしょう? 料亭は作法だけで疲れちゃうもの。一緒に食材を買い込んで作るの。どう?」「歴がそのつもりなら構わない。ケーキで思い出したんだが、昔、お前に酷いことしたな……」「でも、お詫びにカモミールの花束をくれた。あれね、凄く嬉しかったのよ」「……そうか」「ワインも買いましょうね。そうだ、ところで、兄さんは1日オフなの?」「あぁ、休みだ。何の予定もない」「そう」ふと、兄から渡された薔薇と小箱が目に入った。包みを開けると、細いデザインの指輪が入っていた。ピンクゴールドは好きなので喜ばしいけれど、贈り主が兄という点が引っ掛かる。その指輪は左手の小指にピッタリ嵌まった。薔薇の花束は豪華だった。購入の折、「恋人への贈り物ですか?」「いえ、妹です」などというやり取りがあったかもしれない。前者ならば、店員はさぞかし困惑しただろう。それほどまでに情熱的で瑞々しい、見事な薔薇だった。「あの時のカモミールは可愛かったけれど、こっちは怖いほど綺麗ね」なぜ今まで忘れていたのか不思議なぐらいだ。苦い思い出以上に、温かい記憶もあったというのに。まさか、兄の急な訪問には注意が必要だとでも――?馬鹿ね、考え過ぎだわ。年を重ね、また新たな日々が始まろうとしている。待ち受ける未来がなんであれ、乗り越える勇気が欲しい。スマホを手に取り、ふたりから届いた誕生日メッセージを再び読み返した。応援してくれる人、寄り添ってくれる人がいる。その事実を改めて確認した私は、これからだって頑張れる気がした。   2007.09.10(MON) 2018.05.28(MON) ←27話┃ ● ┃29話→

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