柴犬 けんたの日記 Part2

　毎日夏のような暑い日が続く

　お盆も近くなってきた

　生暖かい風も吹いている・・・・


　お父さん、夏と言えばやっぱりこれだよね

　「これってなんだ」　


　やっぱり、暑いときは涼しくなる話をしなくちゃあな

　「もしかしたら、あれか夏の夜にやると涼しくなる話。怪談ってやつ」

　そうそう、かいだんってやつ

　「じゃあ、お岩さんの話にするかそれとも、お菊さんの話にでもしようかな」

　それって、みんな知ってるよ。僕はみんなの知らない話を知ってるよ。


　「ほーどんな話だぜひ聞いてみたいもんだな」

　仕方ないなあ、お父さんが一番怖がると思うけど、お話ししてあげるよ

　「お父さんにこわいものなんかないよ。いいから早く話しなさいよ」

　わかった。ある日の夜、散歩していたら黒い影が見えたんだ

　「あ、あの時のことか。公園の草むらの一ヵ所だけぽっかりと人のかたちして黒くなってたんだよな」

　覚えてたの？確かに何かの気配がしたから僕は一生懸命吠えたんだ。

　「お父さんは、持ってたライトで照らしてみたけど、何かの気配はしてたけど誰もいなかったんだよな」

　薄気味悪くなって、すぐに帰って来たんだよね。

　「そうそう、あれからしばらくそこの公園にはいかなかったものなあ」

　だけど、今日のほんとのこわい話は、こっちね。お姉ちゃんにも聞いてもらおーっと。

　「え嫌よ～、わたし怖い話大嫌いなんだから～」

スクロールするのだ!!
　　



　「・・・これは、まさに怪談階段。これ以上の恐怖はない」

　今日は、降りるからね。まだ怖くないでしょう

　「ま、まあそうだな」

　じゃあ、お元気にいくよ～さっきの話はこの公園だけど、今日は昼間だからな。


　大丈夫だよ





　「・・・・けんた、これはなんだ」

　階段だよ。さっき降りたでしょう？80段くらいしかないよ



　「まさか、のぼるのか？」

　お父さん、人生甘く見てるんじゃあないの降りたら登らないと帰れないでしょう

　「あー、今日はなんて、こわい日なんだ。全然涼しくない。汗でびっしょりだ」

　それは、かいだんのせいだな