テーマ:☆詩を書きましょう☆(8463)
カテゴリ:きみに願いを。(詩)
蝉の鳴き声を聞きながらだんまりを決め込んでいると
「暑さで溶けた?」と きみの声がした 僕の手の中にはコーヒーが入った紙コップ これを指しているのかと思ったら 「暑すぎて生きる気力を失うよね」と きみが続けた 僕は適当に相槌を打って 氷が溶けたコーヒーを飲む そしてため息をつくと 「けだるそう」と きみが笑った 「気力が萎えているのはわかるけどさ、人前では笑顔を見せなって」 処世術に長けたきみに言われるとうなずくしかない 僕は不器用で感情を面に出すからいけないのだ でも嘘をついてまで笑顔になれないし 元々そんな気分じゃない 「初めてきみが笑った顔を見せたとき、本当に楽しそうに笑うんだなと思った」 そんなことを言うなんて きみはいつも嘘をついているの? 笑顔のきみに隠された感情に気付くには時間がかかりそうだ 今日は夏日 まともな思考ができやしない きみの首元に汗が流れ落ち 襟足が濡れているのを見ながら僕はきみを知りたいと思った お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009/07/21 11:23:46 AM
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