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きれいな朝焼け(本当はもっと、赤かったのよ) 昼過ぎ、ほとんど付き合いのない従弟から電話。 父親が危ないので、近親者に知らせろと医者に言われた、とのこと。 近親者・・・うちの父親の兄にあたるおじさん。 うちの父親はとうに他界。 息のあるうちに会えるようにといわれても、なんか、変な感じ。 うちと同じ立場の従兄弟の家に電話すると 「お前まで、来なくてもいいだろうから、どうせもう意識もないし。みんなには行ったと言っておけ。わしもさっきまでお前がいたと誰か来たら言っておくから」 と悪巧み。 ところが、夜になってその従兄弟 「おい。やばいぞ。年寄りがみんな来てる。お前が来ないと、ちょっとまずいぞ」 といわれ急いでいくと、もう肺炎を起こしてしまったおじさんが苦しそうな息をしている。 もう意識はない。 元気なころは、うちの父と兄弟といってもまったく似ていないと思ったのに、いま、事切れそうになっている顔は、父のそれと同じだった。 「おじさん、つらいね、みんな来てるよ」 と声をかける。
先に来ていた親戚たちは、待合室に集まりこれからのことを相談する。 私も仲間に入る。 一人のおじさんが、妙にがんばって指図するので聞いておこうということになる。しかし、このお方、まもなく80歳。 ところどころ、抜けている。 子どもがいるんだからもう、帰れよと声をかけてもらって、退散。 その前にベッドのおじさんに 「帰るわ。またくるから」 と声をかけると、意識のないおじさんの半開きの目から涙がポロリとこぼれた。 ティッシュで拭いて、看病についているおばさんを呼ぶ。 「帰るっていったら泣いてるよ。」 「きっと寂しくなったんだわ」 「おじさん、みんないるから、大丈夫だよ」 と声をかけて病室を後にした。
次の日の夕方、訃報が来た。 旦那と一緒に車に乗ったら旦那は一路、病院へ。 私の頭の中では、おうちに行ってお掃除のお手伝い。 葬儀を何度も経験していても、男と女の役目の違いで発想は違うのだ。
病院で従弟にお悔やみをいい、とりあえずの段取りでおうちの片付けに向かう。 おうちは、お嫁さんが出て行ってから惨澹たる有様で、靴を履いて上がりたいくらいの状況。 中に行くと、とうに80を超えたおばあさん二人が、一人はせっせと働き、一人は箒を持って、汗だくで、ぜいぜいいいながら立ち尽くしている。 テーブルの上は50cmほどの高さに物が積みあがり、それを整理しているおばあさんは 「どこもここも、どんなけしても間に合わん」 と汗だくになっていう。 もう一人、そろそろ80歳のおばあさんは、一番強敵のキッチンに挑んでいた。 「おまえは二階に物を入れてくれ!」 といわれ、足が痛い、腰が痛い私は有無を言うこともできず走る。 一度二階に行って、掃除をして、物を運ぶたび、一階はきれいになっていく。 あとは大物(ソファとダイニングテーブル)を移動させるくらい。 いまだしまわれずにあったストーブを外で掃除をしている旦那に渡し、ガラスのテーブルを玄関に出し、大物をとりあえず、部屋の隅に移動させる。 足の悪いばあ様たちは拭き掃除ができないので、私が雑巾で拭くことになる。・・掃除、嫌いなのよね、私。 ふっと見ると、80歳を超えるばばちゃま二人は、もうソファに座り 「若いもんがきてよかった。助かった。足やら腰やら痛いもんは役に立たん」 とニヤニヤ笑って壁際に寄せたソファに座っている。 若いもん・・・・見渡せば、私だけが子どもの世代。ひ~~~!
とりあえず、座れる状況になったところに仏様到着。(ここは神式の宗教なので御霊様が、正解かな?) ここの息子さんとおじさんたちとで葬儀の打ち合わせ。 息子さん、葬儀にいくらかかるか、まったくご存じなかったようで(当たり前か!うちが早くに両親とも亡くなったので知ってるだけなのか)、当たり前のように葬儀場を使って、バスも借りて、食事もすべて取り寄せて・・・見積もりの金額を聞いて、どっひゃ~~~ん! 青くなっている。 それからおじさんたちと葬儀屋さんが話しをして、削除、削除、経費節減が始まり、なんとか形を保ちながら節約する形で打ち合わせが終わった。 と、いうことは、台所係は・・・ 食材、榊はすべて持ち出し。 お供えも畑のものは持ち出し。 ジュース、座菓子、お茶、すべて親戚持ち寄り、なければ買出し、折半と決まった。 冷凍庫の中や、漬物を親戚中で総動員して葬儀が終わるまで(仕上げという初七日の分まで)のご飯を作り上げた。 お茶碗がないから、全食おにぎり。 すべてが終わって、「うちの冷凍庫、もう空になった」というおうち続出。 すぐに新しいの採れるし、掃除になってよかったね、と憎まれ口を利く私
ようやっと、大騒ぎのお葬式は無事終わったのでした。
そうそう、亡くなったおじさん、79歳だったのですが、なくなったとき、つるつるのお肌で皺がひとつもなかったのです。 80を超えていても女は女 「きれいなお肌」が話題に登りました。
ばあちゃんたち、私が皺があるかなくなるか確かめてあげるよ!乞うご期待!
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