カテゴリ:本の話
やっと入ったと暮れも押し迫って図書館よりTEL頂いた。 以前「おくりびと」を映画で観て、本も読んでみたいと 図書館で予約していたものだった。 さっそく取りに行った。 人気で予約待ちがまだ19人居てるとか・・。 暮れで忙しいけど、早く読んでしまわないとと 一機に読み終えた。 映画の場面で観た蛆(ウジ)のお話。 一人暮らしの老人が死んで何カ月も経ち 部屋中 蛆で、死体の肋骨の中で波打つように蠢(うごめ)いていた。 蛆を掃き集めていた時 蛆が捕まるまいと必死に逃げているのに気がついた。 その時、一匹一匹の蛆が光って見え始めた。 蛆も生命なのだ・・そう思うと蛆が光って見えた。 なんとなく納得できるような。。 あと印象に残った文章は たくさんの死体を見てきたけど 死者はほとんどが安らかな顔をしている。 生きている間に悪や善を行ったか知らないが そんなことは関係なさそうだ。 映画は現代版だったけど 本は 戦争が終わって、中国から引きあげてくるまでの大変な生活が描かれていた。 母子5人の生活で、飢えと寒さ病気の中で 子供2人を亡くし、衰弱した子供をおんぶして日本に帰ってくるが その子もとうとう死んでしまう。 のちに納棺夫となる新太郎少年と母だけが生き残った。 まだ新太郎少年8歳のころのお話で いろいろ考えさせられた。 ほんと大変な時代だったんだなぁ。 あと、地主だった祖父に育てられるが 農地改革で (地主が保有する農地は、政府が強制的に安値で買い上げ、小作人に売り渡された) 死ぬまで地主としての姿勢を崩さなかった祖父の生き様。 ある意味、すごいなぁと思った。 たくさんの柿の木を道楽で育てていた祖父の言葉 「柿の木の枝は火葬の薪にするもんだ。 祖父ちゃんが死んだら柿木で燃やしてくれ」 と言われ、約束を守ったこと。 今の時代、いろいろあるけど このころからしたら、ほんと恵まれてると思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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