108334 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

俳ジャッ句     

俳ジャッ句     

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

耀梨(ようり)

耀梨(ようり)

Calendar

Favorite Blog

吹割の滝 幸の助518さん

18話 君は宇宙(… ちはるのきさん

独りハリウッド大作戦 諸行無常4141さん
増録生活人【安倍晋… フリーメーソン・ベンさん
にゃんとも絵日記-時… みるみるsanaeさん

Freepage List

Headline News

2006年04月17日
XML
カテゴリ:連載小説

 

 秋も深まり木々が紅葉するころから私は柏木圭太郎に刑法を

 習いはじめました。

 「いくら女の子だからといっても、教えるからには手心を加えない」

 まずはじめに柏木はそう宣言しました。

 いかにも学内きっての秀才らしい、しかし若者らしい潔癖さの

 あらわれた宣言でした。

 大学の図書館の地下のカフェでふたりは丸テーブルをはさんで

 向かい合い刑法の基本書をひろげました。

 柏木のややえらの張った、ひきしまった顔の輪郭が

 地下の明かり取り窓からさしこんでくる日ざしで逆光となって

 影絵のようにうつりました。

 その眼光の鋭さのなかに、やさしい、ぬくもりがあるのを

 私は感じとっていました。

 一見こわもてのようにうつっても、案外心配りの行き届いた

 人物のように思えました。

 たとえていえば、恋人に選ぶよりは、兄のように頼れる存在と

 して一目おいていたい漢(おとこ)でした。

 ただの青白い秀才ではないということだけは私にも見て取れ

 たのです。

 

 

 






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2006年04月18日 05時53分56秒
[連載小説] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.
X