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カテゴリ:連載小説
浩太郎がばくちに入れ込んでつくった借金は、私では もうどうにもできないほどの額になっちまっていたんだよ。 結局、借金のカタに私は女郎に叩き売られたってわけさ。 ふりだしは、小浜の三丁町だったよ。 それから、舞鶴、敦賀と流れていったんだよ。 私が舞鶴の遊郭にいるときに浩太郎はほかに 女をこさえて、いつのまにか消えちまったよ。 私は、自分の男運の悪さを嘆いてみたけど、 後の祭りだった。 男を見る目がなかったのは、自分が悪い。 だから、浩太郎を恨む気にさえならなかったよ。 まあ、そういうわけで、私の身の上話は これでおしまいだ。 なんだか、あっけない話だわね。 (続く) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006年10月06日 10時30分06秒
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