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2006年06月17日
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カテゴリ:連載小説

 

 

 夫は思いのほか冷静でした。

 愛情のかけらもない妻にいまさら嫉妬するほどのことも

 ないのでしょう。

 それは私とて同じでした。

 ただ夫は男としての面子とプライドだけは持ち合わせています。

 世間体からしばらく別居しようと言い出しました。

 私は隣町の実家に帰ることにしました。

 実家には母が弟夫婦と同居しておりますが、

 その弟が亡父から受け継いだ材木店が経営不振に

 おちいっていたのです。

 「こんなときによりにもよって、なんてことや」

 と母は私の顔を見たとたん愚痴りました。

 私は弟夫婦の手前もあって身の置き所がありません

 でした。

 






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Last updated  2006年06月18日 05時02分26秒
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