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カテゴリ:連載小説
どういう下心か、ですって? 人の弱みにつけこんでお金をゆすろうって魂胆なんです。 そうは問屋はおろしませんよ。 当たり前じゃあありませんか。 私にはなんの弱みもありゃあしませんからね。 平田っていう元刑事が今頃になって難癖をつけたからって 私はびくともしませんよ。 15年の時効が成立している以上、もう誰もとやかく言うことは できないんですからね。 たとえ私がやったとしても、ですよ。 でもね、あの元刑事が一体私にどういう動機があったって思っているのか、 そこのところだけは、きいてみたかったんですよ。 「奥さん、あんたは死んだご主人とは、子連れで再婚しているでしょうが」 って平田さんは、してやったり、というように満面に笑みをうかべて 言いましたよ。 (続く)
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Last updated
2006年07月31日 13時16分53秒
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