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2006年10月05日
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カテゴリ:連載小説
 

 

 

 浩太郎がいくら 呉服屋の若旦那だからったって

 芸者を落籍せるほどの大金を自由に出来るはずが

 ないよねえ。

 で、仕方がないんで、二人して逃げようって話になってね。

 手に手をとりあって駆け落ちしたってわけさ。

 行き先は若狭の小浜だ。

 浩太郎の学校の友達がそこの若狭塗りの箸屋の若旦那でね。

 その人をたよって行ったのさ。

 浩太郎はその人の世話で小浜の本屋に勤めた。

 ところが、なにしろ甘ったれた坊ちゃん育ちなもんで、

 人並みに勤まるはずがなかった。

 職を転々としたあげくが、自暴自棄になっちまって、

 酒とばくちにのめりこんだのさ。

 やむなく私が仲居として働いたけど、とても

 追いつきゃしなかった。

       (続く)

 

 

 






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Last updated  2006年10月05日 05時26分18秒
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