9353636 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

おぼろ二次元日記

mamさんより夢小説♪





『夢の懸け橋』



月が空の頂点から少しすべり落ちた頃、
あの人は対岸の向こうからやって来る。
月光に照らされてあの人の髪飾りが光る。
それを合図のように私はこちら側から橋に足を踏み出す。
そして橋の中央で私達は会う。



サラサラと水音だけが川から響く静かな時間。
夜風があの人の髪を優しくなでて通り過ぎる。
あの人の長い髪は夜よりも更に深い黒の絹糸の様、
それがしんとした空気の中で踊る。
「寒くはないか。」と、あの人は羽織っている丹前を脱いで
私の肩にかける。




私達は余り話さない、ただ二人並んで、あちらとこちらの懸け橋の
真ん中で佇んで、月が西の山の合間にたどり着くのを眺めている。
あの人は私のことを知らない。
私もあの人のことをよくは知らない。
ただとても大事にしている人がいることだけは理解している。



ある夜、あの人が言う。
「彼女の幸せを見届けたら・・・。」
私は世界の果てまであなたを捜しに行こう。
この世の、いや違えた世界までもあまねく歩き回り、いつかあなたに
たどり着こう。



そう告げるあなたの鋭角な横顔、嘘のない誓いで厳しい。
それがこちらを向いた拍子にふと崩れ、微笑みに変わる。
その笑顔は、けれど私の涙でにじんで、月の光の白さと区別が
つかなくなる。



毎夜、夢の中で私達は会う。
あの人は私をおぼろ月夜と名づけ、そう呼ぶ。
私はあの人を白夜と呼ぶ。



私は今夜も眠りにつく。
あの橋の中央で、あの人と会うために。








**********************************




素敵なRPG小説を展開中のmamさん。
兄様と夢の中で出会い、そして二人で歩く・・・。
私はずっとずっと兄様のことを追いかけていくでしょう。
どこまでも。

そんな気持ちを本当に綺麗に表現してくださいました!
mamさん、キラキラ輝く星のような宝物を
ありがとうございました!





Copyright (c) 1997-2019 Rakuten, Inc. All Rights Reserved.