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BS2でアニメ放映されている「タイタニア」の原作1巻を
読んでみました。 以下、アニメ派の方には ネタバレがありますのでご注意くださいませ! タイタニア(1(疾風篇)) 概略は以下のとおり。 「BOOK」データベースより 星暦229年。宇宙の命運は星間都市連盟を破ったタイタニア一族の 手に握られ繁栄を築く。 しかし、446年に強大なタイタニア一族のアリアバート卿が、単なる 一都市・エウリヤ市に敗れてしまった。 時代が再び動き始めたのだ。宇宙の覇者となるのはいったい誰…!? スターファンタジーの傑作ついに文庫化。 刊行に付いてはWikiよりコピペしました。 『タイタニア』は田中芳樹の長編スペースオペラ。 1988年に徳間書店から新書(トクマノベルズ)で第1巻を刊行、 第3巻まで刊行されたところで中断し、現在もなお未完。 後にスクウェア・エニックス社EXノベルズから再刊。 さらに2008年9月からは後述するアニメ作品放送と連動して 講談社文庫にて新装版が随時刊行予定。 「月刊少年シリウス」2008年5月号より漫画版が連載される(画:ガンテツ)。 2008年10月よりNHKBS2の衛星アニメ劇場にて放送中。 全26回(BSデジタル番組情報から) 1988年初刊刊行ということで未完のこの作品がアニメ化で表舞台に 出るのは十何年振り!?という放置プレイの後なんですねえ! アニメ・スタッフとしては最近、多い「地球へ・・・」「花男」「花君」 のように一世を風靡した作品を発掘して大人のファンを開拓しようと いう狙いなのでしょうが、この作品もかつて「銀英伝」で盛り上がった ファンをもう一度、呼び戻そう!みたいな主旨で企画されたものなのでは・・・。 田中氏は遅筆&原作放置が多い作家さんで、さらに版権元を変更して 再発行というファンの懐を悩ませることも多いので、今回もアニメ絵の カバー表紙で再発売というのには困った方も多いと思います。 巻末にアニメの石黒監督の談話が収録されています。 アニメと比較しながらの感想ですが・・・ 「銀英伝」と同じく宇宙を二分する勢力の歴史を描く「タイタニア」。 アニメでファンVSタイタニア一族とならないのがもどかしいのですが 1巻ではやはりファンが反タイタニアとしてスタートラインに立つ ところまでなので仕方ない展開なのですね。 タイタニアの勃興から入って、現在の5家族=アジュマーン、ジュスラン、 アリアバート、ザーリッシュ、イドリスに至る流れが良く分かります。 彼らは始祖は同じでも現在、実際に血のつながりがある、無いに関わらず 近しい年齢の者は皆、従兄弟という間柄で呼ぶのですね。 アジュマーンが後継を見据えて、それぞれの難局をどう4公爵が しのいでいくか、がメインなので「銀英伝」のラインハルトが 上り詰めていく話とは違って、一族の守りに重きを置いた話になっています。 なので、勝利とか地位の上昇とかいう高揚感というものはあまり 感じられないです。 四人の後継者について、アリアバート、ザーリッシュ、イドリスは かなり固定された人物評で表現されていますが、ジュスランはタイタニア側の 主人公となるので、「事後処理者」と言われてもアジュマーンは かなり彼のことを他の三人よりも買っていることが分かります。 アニメではその辺りを表現したいのでしょうが、逆に失敗させて しまいました。 そこは原作を読んでもアジュマーンがジュスランを評価している 理由が分かりにくいので補完してもらったほうが良かったと思いました。 自分のことを「買いかぶり過ぎ」と思うジュスランの転機は アジュマーンの政敵と目された異母兄エストラードの息子バルアミーを 副官に据えるのとエルビング王国のリディアを保護するところから 動いていきます。 バルアミーが起爆剤のようになって4公爵の間をかき回して いくのは面白いです。 内紛だらけのタイタニアですが、それぞれが、あの武闘派のザーリッシュも 思慮をめぐらせて動いている様を見るとタイタニアはそうして生きて いかなければならない宿命、それだけ強大な存在になってしまった ことを感じます。 一つの質疑応答だけでもわずかに香る棘の部分、を逃さないように。 とても疲れますね! アリアバートの敗戦を機に星間連盟軍を煽り、さらには反タイタニアを 焙り出す動きに流れていくタイタニア。 そこに絡んでくるのがファンなのですが、ファンを拘束しようと したアルセスが引鉄を引くことになるとは思いませんでした。 アジュマーンが願う未来をジュスランが探りながら一つ一つ打って行く 作戦にどう4公爵が動くかタイタニア側では楽しみたいと思います。 一方のファンはエウリヤを追われ、ミランダに拾われて宇宙を流れて いきますが、こちらの転機はエーメンタールで出会った少女、ミランダの 部下のリラによってもたらされます。 彼女が命を失うことで、ファンに戦う理由が出来てしまったのですねえ。 ファンがその才覚を示すためにも手駒は必要で、1巻ではエウリヤでの 元部下パジェスとワレンコフが合流、さらにドクター・リーとの出会いで 盛り上がってきました! リーには智謀はあっても徳は無いという設定になっているので、そこは ファン、そしてミランダがもっと魅力を発揮して人を集めることになるのでしょう。 「銀英伝」に比べると、戦闘シーンは細かいシチュとか端折って 書いてある感じもするので分かりにくいところもあるかな。 (それは私の頭がついていけないだけなんでしょうけど。) 互いに人材がそろってくれば、もっと戦術レベルでの動きが鮮明に なってくる・・・と期待しています。 萌える部分について♪ ジュスランが好きなのですが、フランシアにはそれほど嫉妬心も 今のところは無く・・・。 リディアが「隠し子」とか言われて冗談で「蹴飛ばす」と言ったのは 笑いました! 今夜のアニメ・・・ ジュスランとリディアが出会う場面が楽しみです! タイタニア(2(暴風篇)) 2009年01月30日発売TYTANIA-タイタニア- 1 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年11月27日 17時11分18秒
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