独学の楽しみ

 
《独学の楽しみ》
 

 数年前、テレビで4人で早春賦をオカリナで演奏しているのを聴いて、魂を揺さぶられる
ような衝撃を受けたのが、私がオカリナに魅せられたきっかけです。実は当時、もう1度
アマチュアのオーケストラに入ろうか、迷っていたのです。そこでアマチュアのオーケストラ
でも、かなりレベルの高いA交響楽団のオーデイションを受け、第1ヴァイオリンに見事
合格したのですが、毎週土曜日に、必ず練習に来るように、とのことです。私にはとても
毎週土曜日に参加出来ませんので、迷惑をおかけしてはいけないと思い、お断りする
ことにしました。せっかくオーデイションを受け、普通はそのあとで、第1ヴァイオリンか
第2ヴァイオリンかを練習を通して決められるのですが、直ぐに第1ヴァイオリンで、と
言われたのですが、残念でなりません。


 そこで、ひとりで好きな時に練習出来るオカリナを始めることにしたのです。
何事も初めの基礎が大事と思い、いくつかのオカリナ教室を訪ねたのですが、入門を
断られたり、受け入れられた教室のレベルが合わなかったりで、結局、独学で始める
ことになってしまいました。


 仕方なく、市販のオカリナの入門書とCDを購入して、オカリナの奏法を自分で工夫
しながら、正しい音程のオカリナを求めるのにひと苦労するいきさつは、すでに述べた
とおりです(「宗次郎のオカリナ」を参照下さい)。特にビブラートを付けるのに、
いろいろ試行錯誤を繰り返しました。そうして演奏会に出演して気付いたのですが、私の
ようにビブラートを付けてオカリナを演奏される人は、誰もおられないのです!それから
私の奏法の迷いが始まるのです。あからさまに「あなたの奏法はオカリナには過酷です。」
と忠告して下さるプロの奏者もおられました。高野敬子さんは、私の奏法を認めて励まして
下さり、いろいろ助言して下さいました。また、母良田富蔵さんのコンサートを聴いて、
きれいにビブラートをかけて、オカリナを演奏されていたので、やっと自分の奏法に自信を
持つことが出来たのです。これも、最初に師にめぐり合わなかったためで、独学の賜物と
思っています。



おかりなたち




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