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真夜中のお茶会

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2008.04.08
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買う気無かったんだけどなぁ……。
『B-PRINCE』新レーベル。
つい手に取ってパラパラと見てしまったら、
中の最後の方のイラストに衝撃を覚えて買ってしまった。

724円。文庫にしては高いお値段。
BLにしては300ページ超の厚さ。
少しだけ細かい字(笑)
色んな意味で読み応えの在る本、ではあったかな。




[文庫]FRAGILE/木原音瀬/高緒拾
…………………………………………………………………………
大河内の人生は、バラバラに壊されてしまった。
一人の男の手で──。
才能あふれる部下・青池を嫌い、一方的に蔑ろにしてきた大河内。
我慢の限界を迎えた青池は大河内に襲いかかるという事件を起こし、社を去っていく。
目障りな存在がいなくなり安堵したのも束の間、ある夜、その青池が大河内の自宅で待ち構えていた…!
大反響の雑誌掲載作に大量書き下ろしを収録。
二人が踏み込んだ愛憎の迷路のたどり着く先は──。

お薦め度的には★4(★1~満点★5)好き度的には★3.8


……………………………………………………………………………………………………

奥付けで2000年に『小説b-boy』に載った本編に、同量の書下ろしをつけての1冊とある。
最初解らなかったのだけど、タイトルには覚えがあったし、
そう、本編にも何となく記憶があった。そう言えば……と。

本編は大河内視点で理不尽な仕打ちに打ちのめされされるが儘な関係を。
続く続編は青池視点で儘ならない感情と歪んだ愛情の末路。
これはこれでハッピーエンドなのだろうなと思う。

最後まで読んで、何となくそうなのかなと思いつつ、まだ釈然としなかった大河内の気持ちが、
作者あとがきでアッサリ解説されているのには思わず苦笑。
最初は嫌悪しかなかったのが、本人自覚はしていないものの愛情があると。
……解り難い(苦笑)

大河内視点でも、兎も角コイツは性格が悪い。
けれど何をしても自分は悪くないと思いこんでいる。自分が不利になれば全て相手が悪い。
つみも無い部下を自分より才能が有ると言うだけで陥れ、
その所為で恨みを買って復讐されても何で自分がこんな目に会うのかと反省の影も無い。
何処まで行っても自分本位なヤツだなぁと。

そんな性格だから、何をされ虐げられても同情のカケラも起こさない。
たとえ、何でそこで逃げない、何で告発しない、何でそこで唯々諾々と理不尽を受け入れる!?
と思っても、自業自得、己を振り返り反省をしろ!真摯に謝れ!!

――と思うのです。

大河内に愛憎渦巻く感情を持て余しているような青池は、
行き着くところまで行ってしまった感情だったのだろうな、殺してしまっても――というのは。
愛しているからこそ憎かった。
手に入らないなら殺してしまいたい。そうしたら彼は自分のもの。

とことん追い詰め虐げる。
殺す一歩手前まで行ったところで、
虐げられた恨みを霧散させて報われない(?)愛情全開になるのか?

後半の歩み寄るような大河内の態度に、信用した所に来る手酷い裏切り。
大河内は何処前行っても大河内でしかない。

最後。青池は大河内を無茶苦茶に抱きながら己の喉を掻き切る。
負の陶酔した青池の感情。

このシーンのイラスト!
かなりショックキングなもの。惹かれてしまった、何なんだこれは!?

青池は助かるのだけど、繰り返される二人での日常生活。
文句を言いながら受け入れている大河内。

兎も角痛い。
救いようが無いなぁとも思う。
破滅型。
大河内の根っからの嫌なヤツ……だけならまだしも、
青池まで大河内に引き摺られて落ちてしまっているところが。。。

詰めていた息が最後溜息にしかならなかった。









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Last updated  2008.04.09 02:30:57
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