テーマ:ぶらり見て歩き(15)
カテゴリ:Essay
3学年の職員旅行で一路、奈良へ。
実は、この歳になるまで、奈良へは一度も行ったことがない。和歌山、滋賀、京都、大阪、神戸……と関西方面へは何回か訪れているのだが、奈良だけはどういう巡り合わせでか、素通りなのだ。「学生時代の修学旅行は?」と、よく聞かれるが、中学は「富士・箱根」。高校はほとんどの学校が関西に行く中、うちの学校と、同じ市内のもう1つの2校のみが当時修学旅行を行っていなかったのだ。 ともかく、待ちに待った奈良である。朝起きたら雪。予定より早めに出て、福島空港へ向かう。降雪による視界不良ため、利用することになる到着便が着陸できない場合は、欠航になるとのアナウンスに一瞬ヒヤッ。しかし、不安もつかの間、無事着陸でき、予定通りフライト。空路、大阪・伊丹空港へ。すっぽりと日本上空に覆い被さった発達した低気圧のため、大阪空港への降下時は、まるでUSJのアトラクションにでも乗っているかのような、スリル。安全とはわかっていても、ちょっと怖かった。 伊丹に着くと、大阪も雪! あれ~、予報では関西の太平洋側は晴れじゃなかったっけ? リムジンバスにて奈良へ移動。奈良は曇り。近鉄奈良駅近くの「おかる」というお好み焼き屋で昼食。明石焼きも美味かったが、パンプキンチーズ焼きが意外に旨い。カボチャスライス入りのお好み焼きの上一面にたっぷりととろけたモッツァレラチーズ。昼からビールで乾杯! 昼食後、古都奈良のシンボルでもある興福寺五重塔へ。たくさんの鹿が、シカ煎餅で餌付けされ馴らされているので、人なつっこく近寄ってくる。残念ながらシカせんは持っていないので、写真をパチリ。シカ煎がどんな味か、試食してみたかったが、古新聞が混ざっているので、あまり人間が食べるにはよろしくないそうだ。シカを横目に見ながらそのまま東大寺へ。ここで、またもや雪がちらついてきた。雪の東大寺もなかなか風情があってよい。雄大な南大門を通り、大仏殿にて「奈良の大仏」を拝観。鎌倉の大仏より、貫禄がある(こちらが古株、先輩なので、あたりまえか)。 夜は二月堂の修二会(しゅにえ)、いわゆる「お水取り」の「お松明」を見る予定なので、とりあえず昼の二月堂も下見しておく。二月堂からの景色は素晴らしいの一言。隣の三月堂、別名「法華堂」に移り、不空羂索観音像を初めとした、16体の仏像を拝観。荘厳とした雰囲気に天平の息吹を感じる。 法華堂より、ぶらぶらと歩いて、春日大社を参拝。今年前厄なので、賽銭を奮発してお参りした後、御神籤で運試し。旧式の御神籤をカラカラと振って引くと、なんと「1番」。御神籤係のオバサン(失礼、巫女さんか)も「アラ! 1番だわ、すごいじゃない!」と。これで「凶」とかだったらやだなぁと思って、御神籤をもらうと、ふわぁっふわあっふぁなんと「大吉」だぁ~。ラッキー! と思い、運がついたついでに厄除けお守りを購入。今年1年、ウンがついてるといいねぇ。 奈良公園をさらに、ズンズン歩いて「江戸三」へ。浮見堂近くの、離れの料理旅館である。今夜はここで、早い夕食。5時から食べて「お松明」に間に合うようにと……。季節感豊かな懐石にしばし舌鼓。奈良の地酒の「梅乃宿」も美味しかった。すっきりしていて、米の薫りがする酒だ。 夕食を済ますと、再び二月堂へ。昼間と打って変わって、すでにもの凄い人込みだ。遠目で何とか見える場所に陣取り開始を待つ。7時になると、十本のお松明が次々と、火の粉を散らし、お堂を駆け抜ける。近くで見るともっと凄いんだろうなぁ、と思いつつ、遠くから見入る。その火の粉を体に浴びて家に持って帰ると、縁起がいいそうだ。お水取りのポスターなどの写真では、二月堂全体が火に包まれたような写真があるが、冷静に考えたらあれはバルブ(開放絞り)で長時間露光で撮影したものなので、実際はあんなふうに見えるわけではない。ポスターのイメージでお松明を期待すると、ちょっと拍子抜けかも。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
March 9, 2004 05:45:16 PM
コメント(0) | コメントを書く
[Essay] カテゴリの最新記事
|
|