不登校・ひきこもり・ニートを考える

2008/05/20(火)07:51

はじめに論理あり 4

総合(52)

18世紀から19世紀に、ヨーロッパに産業革命が起こります。 さらに、19世紀、のドイツにひとりの経済学者が生まれます。 20世紀から現代にかけて、もっとも世界に影響を与えた思想家カール・マルクスです。 21世紀の文明の源流は、イスラエルの宗教にあると書いてきました。 イスラエル人とは、ユダヤ人ともいいます。 キリスト教の始祖であるイエス・キリストも、ユダヤ人です。 そして20世紀に大きな影響を与えたマルクスもユダヤ系ドイツ人でした。 マルクスは、資本主義・自由主義では、富の格差が拡大し、失業問題が生まれると考え、 「万国のプロレタリア(労働者)よ、団結せよ!」 と宣言し、共産主義という政策・経済思想を打ち立てたのです。 (ここで余談ですが、マルクスは大富豪の家に生まれ、両親から受け継いだ巨万の富を「貧しい労働者」のために使うことなく、マルクス主義である「富を平等に分配する」わけでもなく、たちまち浪費してしまいます。 そのため、エンゲル係数で有名なエンゲルが金銭面で支援をしたり、友人などから莫大な借金をするのですが、お金が入るたびに連日豪華なパーティーを開き、それもたちまち使い果たします。 また、大変な人種差別者でもありました。 一種の性格破綻者であったのかもしれません。 マルクス自身の人生も、オール・オア・ナッシングであったようです) それはさておき、マルクスの打ち出した 「富を平等に分配する」 という思想は、多くの人々に共感されました。 20世紀になり、マルクスの思想である共産主義・社会主義を実行したのは、ロシアのウラジーミル・レーニンです。 レーニンはロシア革命に成功し、世界初の社会主義国家「ソビエト連邦」を作りました。 (おもしろいことにこのレーニンもユダヤ系であったりします) では、世界初の社会主義国家「ソ連」は、その理想通り「富を分配する失業のない夢の国」になりえたかというと、まったく正反対の結果になります。 富は特権階級に独占され、独裁者を生み、虐殺と粛清、貧困と餓死が、これまでの社会にないくらいに増えたのです。 オール・オア・ナッシング。 富の分配のために。 20世紀は「社会主義の時代」と言われています。 社会主義・共産主義といった、人類が理想と感じた数多く出現しました。 一方、社会主義ではない主だった国は、「富を平等に分配する」のではなく、「自由と競走」をする思想である資本主義・自由主義思想を支持しました。 世界は社会主義と資本主義に分かれます。 オール・オア・ナッシング。 社会主義か資本主義か。 社会主義国では、富は特権階級に独占され、徹底した格差社会を生みました。さらに独裁者を生み、粛清・貧困・餓死のため数千万人、一説では億を超える人が死んだのです。 一方の自由資本主義では、不況時や世界大恐慌のときでさえ、ほとんど餓死者はおらず、粛清も行われませんでした。 20世紀という100年をかけた社会主義と資本主義という壮大な実験は、20世紀末にソビエト連邦の崩壊、中国の近代資本主義経済の導入ということで、決着がつきました。 社会主義の富の分配は理想論であり、失業はないはずであったのが、労働者が工場へいっても、工場自体がまったく動かず、農民は農場へ行っても、種がない、トラクターが動かないという状態にまでになってしまったのです。 資本主義・自由主義の特徴は、「競走」であり、「弱肉強食による企業淘汰」です。 資本主義・自由主義も、大変に厳しい思想であるのです。 ただ、人間という動物において、理想論である社会主義よりも、弱肉強食である資本主義・自由主義体制のほうが、本性(ほんしょう)に合って居たのかも知れません。 人間はそんなに理想どうりの、美しい生き物ではないからです。 さて、次回で最終回となります。 (つづく)

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