願・たなからぼたもち

待ちました。

2時間、待ちました。

しゃかしゃかと音を鳴らしているDJが

1時間も続くなんて

誰が予想するのでしょう。

「サンキュー　トーキョーー」

なーんて、何度も叫ぶのを聞き、

ここは埼玉だと、心の中で訂正しつつ

待ちました。

だから、

やっと出てきたときには

卒倒するかと思いました。

お隣の席のお二人組は、

諦め顔でお帰りになり、

ただただ

「無念っ」と

背中を見送った10分前。

そんな憤まんやるかたない思いは、

瞬時にどこかへ去り、

ああ、ライクアバージン。

高校生時分、

大好きだった先輩がファンだったマドンナ。

ダビングしてくれたカセットテープを

擦り切れるほど聴いた遠いあの日。

そんなきっかけで、

私まで虜にしてしまった貴方。 

そんな貴方は58才におなりだとか。

高校時代から早●●年。

私は今、貴方と同じ空気を吸っています。

むしろいつも以上に

吸ってます。

貴方は、

スーパースターなのでした。

一番好きな曲、

「 La Isla Bonita 」。

涙なしでは聴けません。

お一人様の私でしたが、

今夜は周りの全員と同志。

声を張り上げ、

貴方と一緒に唄いました。

「ホリデイ」が始まって、

なんだか終わりを察知して寂しい感じがしたら、

案の定、最後の曲目で、

曲が終わると同時に、

会場20000人が、

瞬時に出口に殺到し、

私も、その流れに乗るしかなく、

え、マドンナは今、

埼玉県にいるのにっ、

同じ空気吸ってるのにっ、

なーんていう余韻に浸る間を与えられず、

10分後には電車に乗っていました。

3000円のプログラムを

ぎゅっと抱きしめながら。

そして、

DJのみならず、

貴方さえも

「アイラービュー　トーキョー」

と、おっしゃっていましたね。

ここは「埼玉」だけど。

と心の中で幾度となく訂正したことを

思い出しながら。