カテゴリ:栄養士種
仙台で「患者が開く糖尿病教室」のNPO法人法人化へのキックオフ(決起)集会が開催されました。
昨年6月から開催された「宮城野区糖尿病教室」に参加された方がその取り組みにとても感心され、是非全市的な取り組みにしたいと各方面に働きかけて立ち上げることになったのです。 「宮城野区糖尿病教室」とは22年にわたって続いてきた行政と医師会が力を合わせて開催してきた「患者向けの教室」です。20年前といえば国が糖尿病増加に気づき始めたころでしょうか。全国的に保健所が音頭をとって、地域で糖尿病教室の開催を医師会に働きかけ始めた時期です。 宮城県でも柴田町・大河原町で医師会と栄養士が糖尿病教室を開催して、その手法が注目されていました。 仙台市でも中田の医師会の有志のドクターがフリーの栄養士と一緒に教室を始めました。 同じ頃宮城野区(その頃はまだ政令市になっていなかったのですが)でも医師会のドクターが中心になって教室が始まりました。医師の講話と管理栄養士の食事療法の講話、調理実習という今の形が出来上がっていました。 この教室を管理栄養士として運営していたのが自営・開業栄養士の先駆者山本博美氏でした。スタッフとして後輩の栄養士を育ててくださって、私もそこで勉強し、成長させてもらった一人です。 仙台市が政令市になるとともに仙台市の行政サービスの一環としての教室として保健センターと医師会の共催の形になり、全区(5区)で実施されるようになりました。「糖尿病教室Bコース」という名前でした。「Aコース」は完全に「予防」の観点から、Bコースは患者のためのコースという取り組みです。 実績を持っていた宮城野区は従来の取り組みをそのまま生かせましたがその他の区はノウハウがない状態で始めることになったようです。 このBコース、誕生のときから行政側との小さな(?)マサツがいろいろと、なかったとはいえない状態であったようです。保健所は本来「予防」が使命で「患者」と規定されると医療の範囲。だから保健所のサービスにはなじまないというのが基本的なスタンスのようで、これは正論です。わたしもそう思います。糖尿病の食事療法は治療法の一つだから医師と患者の問題であることは、その通りです。そこに行政の予算を入れてよいかというのは、難しいところですね。糖尿病だけ特別、というのも筋が通らない。 しかし、糖尿病人口がどんどん増え、合併症を起こす人も増えて生活に支障をきたす人が増えている現状と、各開業医に管理家栄養士がほとんどいないという現実を見れば、多少の予算を入れてもいいのかな、と感じていました。 そして20年が経ち、昨年。宮城野区を除く4区で糖尿病Bコースの開催が終了してしまいました。医師会の事情、行政の事情、いろいろあったのでしょうが、私たちには内情がよくは分かりません。事実として「終了してしまった」という現実だけがのこりました。 宮城野区の医師会では、何としても開催を続けるというドクターの意思のもと従来通りの教室が開催されました。 毎月一回、6ヶ月での開催でした。その教室に参加された方がこのようなすばらしい教室が閉鎖の危機にあるのはとんでもない。患者自身が勉強するための団体を立ち上げる必要があると「市民が開く糖尿病教室」を設立することになりました。 NPO法人化をめざし、医師、患者、コメディカル、薬剤業界、その他の業種も含めた広い人々の参加をいただき、患者自身が「自分が主治医」として自己管理ができるような勉強の機会を提供していくのが目的です。 昨日は県議会の若手の議員、重鎮の議員、野菜の生産者、流通関係、医療関係の方々が会場に入りきれないほど集まって会の立ち上げを期しました。 このような患者自身のフットワークの軽い教室が皆さんのご協力をいただきながら有機的に社会とつながり効果的な事業展開ができる事を願っています。 私たち栄養士も患者とどのように連携して効果が出るように動くのが良いのかを真剣に検討していきたいと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年03月28日 13時37分09秒
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