2006/01/30(月)18:55
幸子さんのこと
彼女は沖縄人と東京の浅草人との愛の子=相の子、つまり混血で国籍ではアメリカ人
である。
生まれは日本で育ちも日本なのに、アメリカ人ということでハワイに移り住んだ日系
人である。
お父さまは数年前にハワイで亡くなられたが、ご母堂は元気で日本で生活されてい
る。
上と下の兄弟はアメリカと日本と別々に住んでいる。
私は彼女とブリュッセルで知り合った。今とにかく彼女はフランスに居る。
彼女の人生を書いていくと本が一冊要りそうなので、端折らせてもらう。
今彼女は生活に非常に疲れてしまっているので、励ましてやろうと思い立ったので、
下手な文章よりもと考えて、書道をすることになった。
墨を探し、紙を探し、そして文鎮と筆を見つけた。しばらくご無沙汰していたのでど
こにしまってあるかわからなくなっていたのである。
そこでとにかく夜中になってしまったが、気を静めてから紙に向かった。
この時はまるで神に向かうがごとき気分になるまで待った。そして、一気に墨を含ま
せた筆を滑らしたのである。
書いたのは、「幸福」と「幸子」の二枚である。
幸子の幸は幸福の一字だよという意味なのだが、彼女に伝わって欲しい。
その二枚を折る前に気がついたのが、署名である。
以前に印を確か作ったはずであるので、どこかにあるはずとまた夜中の家宅捜査…
あった、あった、しかも朱肉と一緒に出てきた。こんなにスムースに出てくるのも気
持ち良い。
久しぶりの捺印であった。押印とでもいうのであろうか。
また続く