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当たるも八卦当たらぬも八卦とはいえ、毎年初めには今年の運勢はどんなものかと気になり、つい占いを検索してしまう。 初詣でお神籤を引けばいいようなものであるが、インターネットだと気に入る卦が出るまで探せるし、おまけに無料の占いばかりを亘り歩くから経費もかからない。 まずは富岡八幡宮では 「本年の一白水星の特徴は、上昇運に乗って喜び事が多くなりますが、多欲に過ぎたり、自分の能力以上のことに手を出したりすると、折角得た信用や信頼を失うおそれがあるので、目標は八分目位とし、十分な余力を持ってこの一年を乗り切って下さい。“余裕”の二文字を身近に備えて忘れずに」とあった。 次に二柱神社では 「一白の人は外面が極めて柔順だ。気位が高いが信念の人で自分が正しいと信じたことはあくまでも守って突き進む。元来賢い人物だから欠点も転換、成功の勇者となるであろう。今年もさらなる努力を継続し、余力を蓄え、人の世話役で世の中に奉仕をすべきである」とある。 さらに法恩院では 「今年の運気は好調。初め労あるも、今までの経験を生かせば利を得られる。見栄えの良さにとらわれず、内容重視で取り組もう。柔軟な姿勢や考えを持つことが開運の鍵。経験があるからと言って自己に固執するのは得策ではない。周囲との協調を図り、意見を取り入れ柔軟に対応すること。気配りや目配りを心掛け、短慮や早とちりに注意しよう。難題にあたれば早めに周囲に協力を仰ぐこと」 分相応に出しゃばらなければ、おおむね今年は良好の様である。 ビックリしたのが、富岡八幡宮も二柱神社も健康面で筆頭に「口内炎」を挙げていたことである。 放射線治療の副作用とはいえ、口内炎の真っ只中にあるので、少なくとも一つは間違いなく当てたことになる。 適業では 富岡八幡宮では法律関係・哲学者・作家・教師・飲食業・水産業・海運関係を挙げ、 二柱神社では外交官、書画家、漁業、水産業、クリーニング業、酒屋、染物屋を挙げている。 ここに挙げられている職業には一つも就いたことはないが、適業に就かなかったから現役時代は苦労したのだと、このお託宣も一応当たりにしておくことにした。 しかしだからと云って、自分の過去が不幸だったとはこれっぽっちも思っていない。 病気一つしないで無事に定年まで働き通せたし、沢山の知友や知人に恵まれたし、むしろ差し引きすればプラスの方が遙かに大きかったと考えている。 ところで職業とは、「生計を維持するために日常している仕事」と辞書にはある。 つまりお金を稼がねば職業とは言えない筈である。ところがこの適業の中に「哲学者」というのがある。これも辞書によれば「哲学を専門に研究する人。または哲学的な人」とある。 大学教授になったり哲学書を出版したりして収入を得れば別だが、辞書通りの人ではお金は稼げないではないか。 だから哲学者というのは、職業じゃなくて存在そのものを言うのではなかろうか。 屋台のラーメン屋でも会社員でも哲学を探求していればそれは立派な哲学者だし、年金で生計を立てている私もひごろ哲学的な思索に耽る生活を送っていれば、もしかしたら「哲学者」の称号が許されるかも知れない。 「哲学者クリント」。なんとなく偉そうではないか。 折角のお託宣である。今年はお金を稼げないこの肩書きに挑戦してみるかなどと考えているが、果たして何日哲学者で居られることか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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