カテゴリ:発見
いよいよパリオ開催日。 昼間から、パリオに関連する儀式を見学してきました。 まず、連れて行かれたのは教会。 教会で騎手と馬の勝利をお祈りするのだそうです。 各コントラーダで決められた教会があり、そこでお祈りするのでバッティングすることはないらしい。 馬と騎手を前にして、神父が何やらお祈りの言葉(必勝の言葉?)を唱えると、 コントラーダの人達(サポーターと呼んでいいのかしら)が繰り返して唱えてました。 不思議な光景でしたよ。けっこうね。 隣で見ていたクラスメイトは 「ここまでするとなんだか“滑稽”よね」と興奮してました。 とは言うものの、「絶対に勝つ!」という彼らの思いが伝わる儀式でした。 さ、次は各コントラーダの行進。 一人が太鼓をたたき、二人が旗手をつとめます。 太鼓のリズムは各コントラーダとも基本が同じようです。 太鼓と旗手をつとめることは非常に名誉なことらしい。 小さい時(多分5、6歳)に各コントラーダでオーディションが行われて、 うまい子どもが選ばれるのだそうな。 そして、17、18歳ぐらいになって 「そろそろやめたい」と言うまでずっと続けるんですって。 なぜやめたくなるかというと、太鼓と旗手は毎日練習が必要で、子どもの頃は練習に精を出せるけれども、大きくなると他のことができなくなるから。 太鼓と旗手以外にも、このような衣装を着て一緒に歩いている人がいましたが (槍や盾などを持っている)、 この人たちは衣装がそれぞれ一着しかないために、衣装のサイズにあった人が選ばれると先生から聞きました。 衣装のサイズにあわせて役割が決まるとは! サイズがあった人は「この体つきで良かったー」って思うんでしょうね。 右側にいる人たち。 パリオの雰囲気を堪能した後は、いよいよパリオです。 「後は好きにしてねー。カンポ広場(こんな暑くて人が多いところ)でパリオを観る人はマゾ!! 地元の人でも生で観る人は少ないわ。私もカンポ広場で観たことないもの。 もし、カンポ広場に行かないのなら、BARに行ってイタリア人達と騒ぎながら観るといいわ。」 というアドバイスを残して先生はさっさと立ち去ってしまった。 たしかに! この暑さの中、ぎゅうぎゅうの状態でカンポ広場にいたらカラカラにひからびてしまいそう…。 でもせっかくの機会だからとカンポ広場で観ましたよ、生パリオ! 2時間前というのにもうすでに多くの人。 一定の時間になると入口が閉まるので、出ることはできても二度と入れなくなる。 お手洗いもないし、ガマン大会に近いものがあります。 同じ学校の生徒で、ベストな場所をとるために前夜はカンポ広場で寝た人がいるらしい。すごい! その人が観たかどうかは次の日聞いてないけど。どうなったんだろ。 中で出会った学友によると、新しい「007のジェームスボンド」が観に来ているらしい。 誰も俳優の名前を思い出せなかったけど、多分あの窓だろうってことで撮影(失礼)。 多分この中のどれか。おそらく右下の窓にいる人と思われる…。 いよいよパリオの開始時間(出走時間)。 さすがに広場の人も増えて、人の頭しか見えない~。 しかもたまたま背の高い、ごっつい人が私の周りに立っていたりするわけよ。 (えーん。コンサートや映画の時とか、いつもこうなんだ~。) 馬が登場して、ゲートインして一斉にスタート! といいたいところですが、何せゲートというゲートがない。 馬がスタートラインに横一列で並ぶことすら難しいわけです。 スタート地点はこんなだもの。 馬だって大変だよねぇ。 全頭がうまく並ばず、それを調整するために2回ほど並び直し、など 20分ほど経て「あっ!」という間にスタートしました。 速い速い!!すごい速さで馬が駆け抜けて行く。 鞍をつけずに走るので、何人もの騎手が落馬してました。 あ、でも馬だけが走ってもいいのよ。それで一番にゴールすれば『勝ち』になる! 後ろの女性が、あるコントラーダ名と「行け!行け!」と 大声で泣き叫んでます。 前の男性陣も同じく。すごい熱狂です。 合計3周。約90秒ほどで終了! 勝ったコントラーダは『LEOCORNO(レオコルノ)』でした。 実は、私このコントラーダを応援してたのよねん。 好きなオレンジ色で、シンボルのユニコーンがかっこいいから。 そんなことは泣き叫んでいた後ろの女性や前の男性陣には言わなかったですよ。 彼らの応援していたコントラーダは負けましたからね。 自分のコントラーダが何着だった、というのはあまり関係ないらしく、 勝ったか負けたか、だけが重要みたいです。 というわけで、周りを見渡すと『燃え尽き症候群』のような顔をした人でいっぱい。 興奮さめやらぬ状態で、カンポ広場を後にしたわけです。 広場の外ではもう『LEOCORNO』が凱旋パレードを始めてました。 その後、学友と食事をして、外に出ると早速またもやパレード! もう普段着。 ちなみに、負けたコントラーダはそそくさと旗をおろしてました。 勝ったコントラーダはこの後、ふるまい酒ならぬ『ふるまいワイン』を配ってくれるのだとか。 これで長ーい一日がおしまい。 パリオという、シエナでの素晴らしい思い出が増えました。 たとえマゾと言われようと、広場に行って良かった! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年09月14日 02時15分25秒
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