行きかふ人も又

2009/10/20(火)09:34

『札幌国際短編映画祭 SAPPOROショートフェスト2009』 ドイツショート

ドイツ映画(15)

 日曜まで、札幌では短編映画祭が開催されていました。 5日間の日程のうち、どれかひとつのプログラムでも足を運ぼうと、疲れた体をおして、夜の『ドイツショート』を観てきました。シアターキノにて。 『ドイツショート』の概要は――  2000年~2007年に制作されたドイツ短編アニメーション映画から、ドレスデン短編・アニメーション映画祭のディレクター、ロビン・マリックさんの協力によって選出された作品を上映。 素描画や3Dコンピューター・アニメーション、フィギュアなど、様々な技法を用いた作品多数。  夜10時からの上映は、終電間近に終了しました。 休日だったとはいえ、眠気誘う時刻。おもしろくないものはツライ・・・。 10本ほどの短編のうち、後半の作品は目もしょぼしょぼで、ようやっと起きていた次第です。 タイトルをはじめ、一作ずつの詳しい情報がないから、監督の名前さえお伝えできないのが残念。 楽しかったのは、こんな感じ。 一作目の人形アニメーション(仮に『カーニバル』)、素描画の『線を引く』、ゴヤの版画をコラージュした『GOYA』。 一作目の人形アニメは、ドイツ表現主義へのオマージュかというほど、奇妙で陰鬱な世界観がありました。古典の名作『カリガリ博士』に類似したシーンがたくさんです。人形の顔がホラーばりに怖いのは、かなりツボ。 最後のオチまで、とにかくおもしろい作品でした。 『線を引く』は、簡単な素描画で描かれるブラックな内容のアニメーション。 シンプルなモノトーンの画面に、主人公はとにかく赤い線を引きます。パンを切るにも、カップに珈琲を注ぐにも、風呂にお湯を入れるにも、なにもかも。絶対目安となる赤い線に沿って、型にはまった毎日を同じように繰り返すうち、仕舞には自分の首にまで赤い線を引いてしまい、、、チョンパ!という(笑)  ヒジョーにブラックで、シンプルながら見応えのある作品でした。 そして、一番気に入った『GOYA』。 あまりよく知らない、スペインのこの画家のこと、すごく知りたくさせた、とびきりシュールな短編。 画像は、コラージュに使われていた版画作品を、ただ引っぱってきただけで、実際は、嫌悪に溢れた画像を繋ぎ合せて、一本の悪夢のようなフィルムに仕上げています。 いつかゴヤの作品展を観る機会があったら、ぜひ足を運ぼうと思います。 ―――こんなところでしょうか。だって、他の作品はもう覚えてない、、。 ちなみに、一番上の画像は、終わりごろの短編。コマ撮りの人形アニメーションで、これもまたブラックな作品でした。タイトルはなんだったかしらん。 シュヴァンクマイエル作品のグロさを50倍に薄めた、そんな印象。木でできたニセモノの赤ん坊が『オテサーネク』のようでもありました。  ここからは、すこし日常噺。 張り切って一週間いきましょーと思っていた矢先、小さい家人が学年閉鎖です。 ただでさえ休みの多い最近は、もっと働いてもいいくらいなのに、自宅待機かよー。 職場のみなさんにわがまま言って、お休みをもらいました。シクシク ヒッキーでグロッキーな一週間になること必至、、。嗚呼、嗚呼(嗚咽) 気分を変えて、楽しい映画のお話。 今月から来月にかけて、狸小路シアターキノのラインナップはすごいです。 名匠エルマンノ・オルミ『ポー川のひかり』 大好きなキェシロフスキの初期作品『地下道』『初恋』『スタッフ』『平穏』『スティル・アライブ』『短い労働の日』 チェコの懐かし人気アニメーション『屋根裏のポムネンカ』 他にも『幸せはシャンソニア劇場から』『バオバブの記憶』『湖のほとりで』 などなど     このなかから吟味して、できる限り劇場で観れたらと思います。 キェシロフスキ作品は、夜のみの上映。それでも、初めて劇場で観るチャンスだから逃したくない。みなさんなら、どれを観ます? いまからワクワクしています。

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