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2008.06.16
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カテゴリ:日本映画

 ジュリーこと沢田研ニ世代ではありませんが、人気アイドルだったという過去が信じられないほど、はじけた演技でした。沢田研ニといえば、目立たないちょっといい映画『eiko[エイコ]』にも出演していましたね。
敬愛する塚本監督の代表作『鉄男 TETSUO』の次に撮ったのがこの作品。原作は諸星大二郎の『妖怪ハンター』。

 (あらすじ) 教師をしている義兄・八部(竹中)から「重大な発見をした」と手紙を受け取った考古学者・稗田(沢田)は東京にやってくるが、八部は女生徒・月島令子(上野)と共に行方不明になっていた。八部の息子・まさお(工藤)と一緒に二人を探す稗田だが、校内で謎の生物に襲われるのだった―――。 

すべてに時代を感じるも、笑いながら観てOKな壮絶な映像は、すでに塚本監督ありきという感じで、キャラが立っている。唯一音楽だけが塚本作品らしくありません。
一言で言えばエキセントリック! 化け物ヒルコがキモ怖く、原作どおりの造形なのかはわかりませんがインパクト大です。
そんな外見の奇矯さはさておき、物語の筋道は実にきちんとしています。お決まりの焦燥による汗は健在で、懐かしい感じの作品でした。ふと『HOUSE ハウス』を思い出しながら、エキセントリックさでいえば、いい勝負です。

 hiruko-the-goblin.jpg hiruko3.jpg

八部が発見したのは、古代人が悪霊を静めるために造った古墳とその入り口。危険を顧みず中へと進入した彼が失踪し、残されたメモを手がかりに、稗田とまさおは妖怪退治にのり込みます。
まさおの背には火傷の痕のような人面相が浮かび、次々と死人が出て、稗田お手製の武器は使い物にならない。絶体絶命のピンチに、ただひとつ有効な武器はキンチョール・・・シュールです。
そう、妖怪ヒルコはまるで蜘蛛のように走り、ハエのように飛ぶ人面虫。齧られればゾンビ状態で増殖する、恐怖の妖怪なのでした。
そのヒルコにたった二人で挑みながら古墳の謎に迫っていく―――結末は映画でご覧くださいませ。

VFX(CG?その違いがよくわかりません)が多用されますが、手作り感もかなり残っていました。私的にはお金かけてると思いましたが、目にした感想の多くは「低予算だ」というものばかりでした。よっぽど酷い覚悟をしていた私でした。
でもこういう作品がレンタル店に生き残っているというのは、コアな塚本ファンが多いからでもあるのでしょう。
そんな方にだけ、おすすめしたい映画でしたかちんこ




監督・脚本  塚本晋也
音楽  梅垣達志
出演  沢田研二  竹中直人  上野めぐみ  工藤正貴  室田日出男  余貴美子

(カラー/90分)







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Last updated  2008.06.17 23:09:18
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