小麦高騰でうどん値上げ
路地を迷い続けてやっと見つけたら、閉まっていた。「今日はもう売り切れで」。店主の彦江俊紀さん(68)が申し訳なさそうに言った。 香川県坂出市の彦江製麺(せいめん)所は、彦江さんで2代目。コシの強さに定評があり、かけうどん1杯130円の安さで地域の食を支える。輸入小麦価格が24年ぶりに上がった昨年も据え置いたが、来月さらに30%上がるため、ついに値上げせざるを得ないという。 戦後、県内産小麦の作付面積は62年の1万8000ヘクタールをピークに、農業人口の流出や長雨の影響で減った。代わって輸入された豪州産は低価格で味も良く、一気に広がる。やがて「特産品の原材料が外国産でいいのか」との声が高まり、県は新品種「さぬきの夢2000」を開発、300ヘクタールまで落ちた作付面積を1500ヘクタールに広げた。 豪州産品種「ASW」は日本人の味覚に合わせ改良を重ねてきた。さぬきの夢は麺が切れやすく供給も不安定なため、彦江さんのように使用に踏み切れない店主も多い。それでも「懐かしい香りがする」と徐々に人気が高まり、県産うどんに使う小麦の5%を占めるまでになった。4月以降は価格が逆転し、ASWの方が高くなる見通しだ。 だが、県担当者は「今後の増産は厳しい」と漏らす。農業の大規模化を進める国は昨年、経営拡大できない零細農家への助成をカットした。今ある畑で小麦を増やしたくても、助成金がないと収益が少なすぎて成り立たない。 「安くてうまい」を守りたい。自給率を高めたい。食への理想は高まるのに、実現は難しくなるばかりだ。(生活報道センター)毎日新聞 2008年3月5日 東京朝刊◎小麦粉の高騰により, 彦江でもついに値上げ◎4月くらいには, ASWの値段がさぬきの夢2000より高くなる見込み◎さぬきの夢2000への期待は高まるが, 国の助成金打ち切りに伴い、零細農家は成り立たなくなるので, 増産も期待できない安くて旨いオーストラリア産小麦が国内産(さぬきの夢2000)より高くなると言う現実に驚きます。うどん屋はてんぷら油や燃料費の高騰で今後値上げ必至の状況ですうどんが高級品の時代が来る?? ←wan!クリックで応援してね♪