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高速バスで仙台から朝、大阪に戻ったが、フェリーの出発は夜である。私には心残りなことがあった。
それは先日、よった花月横のたこ焼き屋の有名店「わなか」で今まで食べたことがないたこ焼きがあったのだ。 この看板の「おすすめ」を食べた私は4種類の味わうことができたが、その中には含まれていないものがあった。 タコせんとわんこダコである! それは一体なんじゃらほい?! 午前中になんばに舞い戻った私は、朝からソースやマヨネーズこてこてのたこ焼きではなくて、あっさりしたわこんダコを食べてみたかったのである! このダシのきいたおつゆで頂く、中は熱々はふはふトロトロのたこ焼きも、なかなかおつなものでありました。 ここで一句。 花月横 朝はあっさり わんこダコ 花月横 朝はあっさり わんこダコ 大阪のさわやかな朝を詠んだ一句ですね。 農業通信委員の榎本さんからのお便りでした。 (じゃじゃじゃ~ん)NHKラジオじゃないんだから! この日も通天閣やら、いろいろと歩き回ったが、午後になって人が多くなるとゆっくりしたくなってきた。 そこで花月の前にある大阪府立上方演芸資料館(ワッハ上方)に入ってみた。 ここでは大阪のお笑いが歴史的にどのように発展してきたかがわかる。 ボタンを押せば昔の名演が再生される仕掛けがあるなど楽しめる。 そのワッハ上方の一角はライブラリーになっており、そこだけなら入場料なしで利用することができる。 そこでは数多くの上方のお笑いなどのDVDが数多く取り揃えてあり、ブースで見ることができる。 藤山寛美のDVDが目に留まり、それを見ることにした。(父の方。今の娘の藤山寛美ではない。) 実は私は小学生のころ藤山寛美が大好きだった。 土曜日の午後から 藤山寛美3600秒という番組があり、それをいつも見ていた。 今回見たのは「親バカ子バカ」という作品。 以下はあらすじだ。 一代でオーナー社長にのぼりつめた天野利平には、脳の弱い一人息子貫一がいた。 この貫一をアホ役をやらせたら天下一品の藤山寛美が演じる。 天野利平は昔、本来のオーナー社長の実印を勝手に使って、会社を乗っ取った過去がある。 天野利平は右半身が不随であり、父の因果で子供の貫一がアホになったという設定だ。 この設定が実に真に迫っている。因果があればその報いを自分と自分の子孫に受けるのだ。これは本当だ。 このストーリーを書いたのは社長役を演じた渋谷天外だが、人生の真実がどういうのもか本当によくわかって書いた。 また渋谷天外の社長の右半身不随の演技が本当にうまい。 私も最近はセミナーなどで人をよくする機会が多く、実際に右半身不随の人にお目にかかることがある。渋谷天外も実際の右半身不随の人を観察し、どのように歩くか、手を動かすか本当によくわかって芝居をしている。 本当にリアリティを大切にする立派な役者さんだ。これだけの演技ができるようになるまでどれだけ右半身不随の人の歩き方を手の動かし方を練習をしたのだろう。 今だからこそ、そういう部分に気づくことができる。 ある日藤山寛美演じる貫一は、父が会社を騙し取ったから自分がアホになったと人に聞かされる。 一途な貫一は、父に「それはダメでしょう」とはっきり言う。 しかし、「ボクの服もボクが食べてるご飯もみんなお父さんのお金や」だから「ボクにはお父さんのことを悪く言うことはできないんや」だから「ボクは自分で働くんや」とアホなのに家を飛び出す。 このシーンでも「ああこれは本当だな」と涙がポロポロこぼれた。 そしてある日貫一は、以前会社を騙し取った相手の未亡人が東京にいることを知り、「ボクは探して謝りにいくんや」と一人で行ってしまう。「そうしないとボクのアホはなおらないんや」という。 その通りで、親の因果は子に報う。その因果を清算しなければ子供の症状はよくならないのだ。 このお芝居を書いた渋谷天外はその人生の法則を心底わかっていた。 今、このような見えない人生の大切な法則を教えるところはほとんどない。 ところが、藤山寛美はアホを演じながらこの真理をみなに伝えていた。 人生の大切なことを伝えるのは、バカで4歳児程度のアホが一番いいのだ!(笑) 私は涙を何度も拭いきながら、カウンターのおねえさんのところに藤山寛美「親バカ子バカ」の後編を借り行かなければならず、おねえさんに顔をまじまじと見られ恥ずかしかったのであった! 私が小学校のころの夢中になった藤山寛美のお芝居は全然色あせてなかった。 なんば花月の前にある大阪府立上方演芸資料館(ワッハ上方)ではいつでもこれらの藤山寛美の作品群が無料で見られる。 (こちらはビデオのパッケージ。作・演出の「館直志」は渋谷天外のペンネーム) アホ役の笑いの中で人生の大切なことを伝える藤山寛美のお芝居は、大阪文化の一つの到達点なのだ。 ぜひ一度ご覧ください! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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