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テーマ:癌(3513)
カテゴリ:抗がん剤治療
抗がん剤での治療(化学療法)と聞いて、まず どんな事を思うのでしょうか
多くの方が 良いイメージをもっていないと思います。 良いイメージをもたれていない最大の原因としては、その副作用の 重篤さにあると思います。 がん細胞も正常細胞も元は同じ細胞のため、抗がん剤はその違いを 完全に見分けることが出来ず、がん細胞とともに正常細胞まで攻撃 してしまう それが副作用として現れてくる… そのため、抗がん剤を投与する際には、副作用対策もセットで 考えていく必要があります。 主な副作用としては ・悪心・嘔吐(吐き気等) ・下痢・便秘 ・脱毛 ・骨髄抑制(白血球・血小板・赤血球などが減ってしまう) などがあります。 また、薬剤によっても特徴的な副作用があるものもあります。 治療を受ける方にとって、一番つらいのは 『悪心・嘔吐(吐き気等)』ではないかと思います。 しかし、実際の現場では吐き気の対策が十分に行われていないことも よくあります。 また、治療を受けられる方も 抗がん剤による吐き気はしょうがない… と我慢されていることもあると思います。 十分に対策をとることで、その吐き気を 0 ではなくても軽減させることが 可能かもしれません。 ≪悪心・嘔吐(吐き気)≫ 【悪心・嘔吐の種類】 抗がん剤の悪心・嘔吐には 次の3段階に分類されます。 1.急性悪心・嘔吐 2.遅発性悪心・嘔吐 3.予測性悪心・嘔吐 1.急性悪心・嘔吐 抗がん剤投与開始1・2時間~24時間以内に発生する嘔吐 5-HT3受容体への刺激(セロトニン等)が大きく関与 2.遅発性悪心・嘔吐 抗がん剤投与後24~48時間ごろから始まり、2~5日ほど続く嘔吐 原因は不明 (セロトニンの関与は薄い) 3.予測性悪心・嘔吐 次の抗がん剤投与前におこる嘔吐 前回の吐き気等に対する不安などの精神的要因が大きい 【悪心・嘔吐の対策】 悪心・嘔吐を起こしやすさで次の3グループに分類できます(成分名) ・high risk group シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、シクロフォスファミド ダカルバジン、イリノテカン、メトトレキセート(高用量)、ドキソルビシン エピルビシン、イダルビシン、イホスファミド、ミトキサントロン ・intermediate risk group ドセタキセル、パクリタキセル、フルオロウラシル、ゲムシタビン エトポシド、マイトマイシンC、メトトレキセート(中用量) ・low risk group その他 1.急性悪心・嘔吐 ・high risk groupの薬剤を使用している場合 5-HT3受容体拮抗薬 + デキサメタゾン 8~20mg (1日1回 抗がん剤投与前に投与) ※5-HT3受容体拮抗薬 グラニセトロン(商品名:カイトリル)、アザセトロン(商品名:セロトーン)など ※デキサメサゾンの変わりに他のステロイドを使用することもあります。 ・intermediate risk groupの薬剤を使用している場合 デキサメタゾン 4~8mg (1日1回 抗がん剤投与前に投与) ・low risk groupの薬剤を使用している場合 一般的に不要 2.遅発性悪心・嘔吐 ・high risk groupの薬剤を使用している場合 デキサメタゾン 4~8mg/day(1日2回 経口or注射) 3~4日間 + メトクロプラミド(商品名:プリンペラン)(1日2~4回 経口) 2~4日間 又は デキサメタゾン 8mg/day(1日2回 経口or注射) 3~4日間 + 5-HT3受容体拮抗薬(1日1回 経口) 2~3日間 ・intermediate risk group ・low risk group 一般的に不要 3.予測性悪心・嘔吐 急性・遅発性の悪心・嘔吐を抑えることで、不安の軽減をはかことが重要 薬による対処はこのようになっています。 日常生活では、 治療の当日は食事の量を少なめ 治療の数時間前は食べない 少しずつ回数を多くしたりゆっくりと食べる 体をしめつけない衣類を着用 症状のある時は冷水でうがいをしたり氷やキャンディーを含んでみる などの方法があります(その方にあう・あわないがあると思います) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年01月27日 01時31分23秒
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