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テーマ:塾の先生のページ(7832)
カテゴリ:受験
いくつかの中堅の中高一貫私学のカリキュラムに私は少し疑問がある。 最近、私学へ通う子の勉強を見る機会があったのだが、その内容を見て驚いた。どうにも学習内容が難しすぎるのである。私は大手塾の校舎長を長年務めてきたので、大体どれくらいの学力の子がその学校を合格しているかを知っている。だから何も一人や二人の子をも見て言うのではない。 その学校の偏差値と、カリキュラム・進度がどう見ても合っていない。不釣合いなのだ。あれでは上位三分の一の生徒ほどもついていっていないだろうと思う。どうして「集団」にあっていないカリキュラムを用意するのだろうか。 大学受験を見据えたならば、それくらいの進度でないとダメなのだ、という意見もあるかもしれない。しかし私はそれは違うと思う。6年間あるのだ。中2や中3の段階でそんなにトバす必要はない。 もしそんな必要があるとすれば、それは一握りの生徒を確実に東大や京大に行かせる場合なのではないか。私はそのあたりが理由ではないかと邪推してしまう。 学校の人気を上げるには有名大学の合格者数を稼がなければならない。そのためには花形の東大や京大の名前がほしい。そんなのが速すぎるカリキュラムの理由なのであれば生徒たちが可哀相だ。 学校の内部でコース分けをしていても、多くの学校ではコース移動を行うため、そう大きくは進度を変えることができない場合が多い。学校のパンフレットでは「その子に合ったカリキュラムで・・・」なんてことが書いてあってもあてにならないかもしれない。 もしそういうカリキュラムを通すというのであれば、中高一貫の学校でついていけなくなる子はほとんどが中1か中2で脱落しているはずなので、脱落しにくい「みっちりカリキュラム」を組むか、遅れた子をフォローするシステムが必要である。でも見たところそういうのはなさそうなのだ。 となれば、そういう学校へ我が子を進ませるのであれば、入学してから1年は絶対にしっかり見守らねばならないだろう。中1の一学期の成績が悪ければ、夏休みに塾へ行かせるか家庭教師をつけるなりのことをしないと後の苦労は大きくなることは間違いない。 子どもは結構凄いものと戦っているのだ。
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Last updated
June 28, 2006 07:42:52 PM
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