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夏期講習で小学生の算数を教えている塾講師。
ある日の算数の授業中。逆算について、いい説明の仕方が頭に浮んだ。 【橋をわたる】・・・数式の=(イコール)は【橋】なのだ。 授業が終わる頃、1人の少女が立ち上がる。 右手にはシャーペン。そして自分の顔を・・・ 角川ホラー文庫。ホラーです。夏だし(?) 【橋】というのは、異世界との境界という感じでしばしば使われますが、まずそれを数式に当てはめてしまうといのうが、かわっていて面白かった。もっともこの時主人公は暴走気味で、作者も一緒に変なところに突き進んでいってしまうのではないか、という危惧も多少あったが(初めて読む作家だし)なんとか踏みとどまった(笑)。すると、今度はショッキングな事件がおこる。この辺りの描写は流石にホラーらしく、それなりに怖さもあるのだが、全体的にはミステリーの要素が強い感じがしました。 主人公はある特殊な能力を持っている。 スーパーマンになれるわけではない、どちらかという気が重たくなるようなものだが、この設定は良いのでは。主人公は苦悩するわけだけど。 真相はやはり陰鬱なものになるし、少女が絡んで、またそこに行き着くのかという感も強い。まぁ、でもその辺りをネチネチと書いているのではなく(掘り下げが足りないともいう?)内容のわりには重くない。そしてちょっと?なラストではあるけれど私は嫌いではないです。純粋なホラー(?)を求めている人にとってはどうなのかな?というのはありますが。 きっとこの人も若いんだろうなー(名前の雰囲気その他から)と思っていたら、なんと昭和23年生まれ! とてもそのような感じはしないのだが・・・ネットで見つけたのだが間違いないかな?あまり飾り気のない文章で、割合スラッと流して書いているような印象。年齢的な深みはそう感じず、そのギャップは微妙ではありますが(私の自分勝手な思い込み)、違う作品も読みたいなと思わせる本ではありました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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