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旨い豆腐を求めての二人旅の途中、学生の頃親密だった遊離子の家に電話をかけた。すると、家に寄って、友達も一緒に泊まっていってと勧められる。訪れた文化財級の旧家は、蘆屋道満ゆかりの地で末裔であると伝えられているという…『蘆屋家の崩壊』を含む、連作短編8編収録。
狐と結びつく稲荷信仰。あまりに顔が似すぎている一族。 かつて「狐が憑くから」と最期の一線を拒んでいた遊離子。 何かがおかしい。そして最期に・・・ 30過ぎて定職に就いていない【猿渡】。長身で黒ずくめのいでたちから【伯爵】と呼ばれいてる怪奇小説家。二人が意気投合したきっかけは、【豆腐】であった。お互い無類の豆腐好き、豆腐のためならどんな遠出も厭わない。その旅の途上での出来事。 とっても濃密。語り口にも“ほの暗い”雰囲気がよく出てます。 いろいろと影響を受けているとは思いますが、ポーとのリンクはないのかな? (ポーもほんの少しよか読んでいないので気がつかないだけかも) 『反曲隧道』・・・猿渡と伯爵の出会い。怪異を起こすトンネルと中古車の関係は? 『猫背の女』・・・付きまとう謎の女。怖い。 『カルキノス』・・・カニ。なんだか凄いことに(笑) 『超鼠記』・・・ねずみ。ビーバーってそんなにでかいの? 『ケルベロス』・・・狛犬?ちょっと違った雰囲気の悲しい物語。 『埋葬虫』・・・虫。こんなの嫌だぁ~。 『水牛群』・・・ブルーブラックインクのイメージという“脳内恐怖物質”の記述が見事! こんな体験ばかりしていたら壊れていくのも無理ない(笑)<猿渡 それぞれが妖しく、別空間に運んでくれる。 掴みどころがないというか、独自の世界が拡がる。 こういうの結構好きです。違う作品も是非読んでみたい作家です。 それにしても、【豆腐】をこれだけ語った文章は初めてみた。 ここまで好きな二人は珍しいでしょう。食べてみたいものも幾つか。 (社内に「豆腐が嫌い」という人がいますが、これもまた珍しいかと) 『蘆屋家の崩壊』 津原泰水 集英社文庫(2002年3月第一刷) またまた直接には関係ない話を幾つか。 まず【猿渡】という苗字。 確かに珍しいと思いますが、高校の先生に【猿渡メリー】という凄い先生がいました。 結構お年を召した方。国際的に通用するように、ということで名づけられたとか。 そしてこの題名。 ポーの『アッシャー家の崩壊』からとったことは明白ですが… これを読んでいる時の、イトコのナツとの会話。 「どんな本?」 「ん、ポーの『アッシャー家の崩壊』ってあるでしょ、それのね・・・」 「え、何?ポウ?あー、乱歩?違うの?アランポさん?ポウだけ? それ人の名前?変なのー。あー!中国の人か!ポウさん!」 んー、どうやらポーよりも乱歩のほうが有名のようです。 TMとB’zのような関係でしょうか? (B’zデビュー当初はTMそっくり!って言われてたから) 違うか?違うな全く(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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