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福内鬼外(月日が往く)

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一課の吉敷竹史(よしきたけし)が捜査に乗り出す!
浴室で発見された死体は、顔の皮が剥がされていた。
やがて明らかになっていく、被害者の辻褄の合わない行動。
死亡推定時刻の前後に、寝台特急「はやぶさ」の車中で被害者を撮った写真が見付かった・・・

さて漸く読めた、吉敷もの!
(御手洗シリーズでも読めてないものがたくさんありますが)
解説によるとこれが第一弾のようです。

長身、長髪、鼻筋は高く通り、唇は少し厚い。混血のファッションモデルのよう。

うーん、ここでまず驚く。イメージがだいぶ違いました。
勝手に十津川警部みたいな感じかと思ってた(そちらもよくわかりませんが)。
ベテランのオジサン警部。どちらかというパッとしない容貌というような。

全体的な地味なイメージがあった(イメージの話ばかり)。
それは、光文社文庫の劇画チックな表紙絵のせいでもある。と責任転嫁。
(背表紙の色も一役かってそう)
その上タイトルは、いかにも時刻表トリックをつかったトラベルミステリー風。私は、“時刻表を使ったアリバイトリック”が苦手でなかなか手が出せませんでした。しかし、吉敷シリーズの『奇想、天を動かす』が傑作だ、という話をあちらこちらで眼にしていたので、挑戦しないわけにもいかず今回の選択となった次第です。

初っ端に提示された“顔の皮が剥がれた死体”と“死亡推定時刻前後に撮られた写真”のとても魅力的な謎。なぜ皮を剥いだのか?は十分納得がいくし(その後の犯人の行動はともかく)時刻表もそれほど気にならない。吉敷は御手洗ほどの派手さはないが、渋くてなかなかよい。思ったよりも面白かったので、彼が出てくる他の話も読みたくなった。

シリーズものは順番がわかりやすいように、なるべく同じ出版社から出して欲しい。無理な注文なのかな・・・

『寝台特急「はやぶさ」1/60秒の壁』 島田荘司 光文社文庫(1988年1月初版1刷発行)






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最終更新日  2004年02月01日 19時46分08秒
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