『野村万作・萬斎 狂言の会』 2006年2月24日(金) By扶桑会館(愛知県)
★番組
解説 石田幸雄
「二人大名」
使いの者:野村万作 大名:高野和憲 大名:深田博治
後見:月崎晴夫
「小傘(こがらかさ)」
僧:野村萬斎 田舎者:野村万之介 新初意:月崎晴夫
立衆:深田博治 竹山悠樹 高野和憲 尼:石田幸雄
後見:野村良乍
行けるかどうかと、みなさんに散々気を揉ませてしまいましたが、無事に舞台に行ける運びとなりました♪
取りあえず、今日は石田さんの解説部分をレポしたいと思います~★
能楽堂に見立てた舞台上の切戸口から石田さんが登場~~♪
「うっ!これが萬斎さんの解説なら・・・」などという心の叫びを抑えつつ、石田さんに注目~~。
ルビコンさんからもお聞きしたのですが、扶桑会館での公演は恒例になっているようです。
「こちらの公演もおなじみになってきました」と石田さんは仰ってました。
ですから、解説も前半は演目の内容や見所紹介にして、後半は会場のみなさんからの質問コーナーにしたいとの事。
まずは「二人大名」のお話。(あらすじは後日、Part2の日記内で紹介しますね)
狂言に出てくる大名というのは、「偉い人」というより、ちょっとマヌケな空威張り的な人で、家来も一人しかいない。
途中で裃を脱ぐと白い着物になります。この「白」というのは「裸」を表していて、「身包み剥がされた」状態を表現しています。
また、頭には「烏帽子」を被っていますが、それが鶏のトサカに見える様子から、使いの者(万作さん)にマネをさせられる場面が出てまいります。どうぞ、お楽しみに。
二人大名には謡いがあります。
「きょう(京)にきょう(京)にはやる おきゃがりこぼうし とのだにみれば とのだにみれば ついころぶ ついころぶ がってんか がってんじゃ がってんがってんがってんじゃぁ」
楽しい唄ですが、本当はエッチな唄なんです。「とのだ」というのは「男の人」と言う意味で、「とのだをみればついころぶ」。まぁ、男の人を見るとついフラフラと~~。(笑)
そんな意味があるとは思わなかったので、面白く聞かせてもらいました。
あっちの殿方、こっちの殿方と目移りしてしまうのですね。
その転ぶ様子ってゴロンゴロン転がってるし、もし女の人があんな風に転がったら、着物の裾が顕わになって、それはエッチな光景だろうな~と石田さんの解説を聞いて思いました。(深読みし過ぎ~)
次は「小傘(こがらかさ)」(こちらもあらすじは後日って事で。。)
博打で無一文になった主従がにわか僧になりすまして、「今日も通る小傘が 明日も通り候 あれみ咲いたよ これみ咲いたよ」の小唄をお経風に謡って人を騙そうとします。
え~~?本当!? 聴こえるんですよ~(笑)
石田さんの解説はツボを抑えてるというか、適度の間で会場の笑いを誘う楽しいものでした。
聞きながら私も興奮状態でしたので、随分、聞き逃した部分もあると思います。
聞き逃したというか馬耳東風な感じでした~。今となっては思い出せない事が多々有り~。σ(T▽T)
そして、次は質問コーナー♪
こちらでもおなじみになってる狂言公演なので、本に載ってる事は聞いて欲しくないと思っています(笑)とのお言葉。。
う~む、難しいじゃないですか~。何を聞けばいいのかもわからないぞ!
ですが、数名の方が質問なさいました。殆ど男の方でした。
[その1]
能と狂言は一緒なんですか?また、狂言師も能を演じたりするのでしょうか?
石田さん:能と狂言を合わせて「能楽」と呼ばれています。
能の前場と後場をつなぐ、「間語り」や寸劇の「間狂言」などがあって、能の一部分として演じていますが、私どもが能の演者になる事はありません。完全分業になっています。
[その2]
囃子というものが能楽の中にはありますね。狂言にも囃子のつくものがあるのですか?
石田さん:はい、狂言の曲の中にも囃子がつくものがあります。
全体の1/5。。。ざっと50くらいありますでしょうか。
先日松本で萬斎が演じました「釣針」は、囃子入りで行いました。
釣針は謡いはあるのですが、(通常は)囃子が入らないので、今回は囃子入りの演出をしました。
[その3]
狂言にはいろんな人が出て来ますが、女の人も演じる事があるのですか?
石田さん:はい、女性の役もあります。女性と言っても、男が演じる訳ですから、女性には見えません。
狂言に出てくる女性というのは、「強い女性」なんですね。
いろんな役をこなすのが狂言師なんですね。「私はこの役が得意だから」と言って、「女形(おやま)専門」みたいなのはありません。
私、この質問をされた時に、「女性の役もこなすのですか?」というより、「女の人も演じる事があるのですか?」すなわち、「女性演者」が居るのか?と聞かれたように思ったのですが、石田さんの捉え方は、違ったようです。
[その4]
面を付けて演じる曲がありますね。面を付けると、声がくぐもって聞き取れないのですが、面を外して演じることは出来ないのですか?
石田さん:普通、狂言は素面(素顔)で演じるものですが、素顔では出来ない役(動物・神様・尼・・ 等)には面を使います。
面もつけ方とかありまして、口を完全にふさいでしまうと、声が聞こえないですね。(お手持ちのパンフで顔を覆ってお話される石田さん)
で、声がこもるというのは。。ヘタなんです(笑)
キチンとした発声が出来ていなければ、聞こえにくいんです。
と、言っている私も、今日は尼役をしますので、面をつけています。(苦笑い)
声がちゃんと聞こえるかどうか。。。尼は面だけじゃなくて、頭全体を覆うので息が出来ないんですよね~。(言い訳に聞こえるよ、石田さん(* ̄m ̄)プッ)
[その5]
衣装の事ですが、背中に大きなトンボなどが描かれていますが、昔からあるものなのか、現代になってから作られたものなのかお聞きしたいのですが?
石田さん:そうですね。太朗冠者が身に付ける肩衣などに描かれている大胆な絵柄は殆ど昔のものです。
大胆な絵ほど、昔のものが多いですね。という事は、昔のほうが今より自由闊達だったのではないかと思っています。
と、質問はこれくらいだったのですが、松本でも質問コーナーを設けた時に女性の方から「好きな曲は?」と聞かれ、曲っていうのは演目の事だと思っていたのですが、その時、ハンドマイク(扶桑ではピンマイクでした)を持っていたので、つい「カラオケの曲は何が好きだろう~~?」と思わず思ってしまわれたとか( ̄∀ ̄*)イヒッ
是非、お聞きしたいですね~。萬斎さんはカラオケ好きのようですが、石田さんもそうなのかしら~。
やっぱり、演歌? いやいや、今の流行の曲もご存知かもね。
解説はきっかり25分。 たっぷり時間を取ってお話してくださいました。
萬斎さんが25分も黒紋付で舞台にいらっしゃったらな~。
ついつい、そういう事を思ってしまう、つきうさでした。(3月のびわ湖ホールも解説は石田さんなんだよね~。いえいえ、不満じゃないですけれど。。)
彦根からJR在来線を乗り継ぎ、名古屋に着いたのは1時間半後。
名古屋駅の人の多さに辟易しながら、慣れない駅を右往左往。
名鉄線に乗り、会場近くの扶桑駅に降り立ったのは開演30分前。
駅前ロータリーでお友達のルビコンさんが待ってて下さいました♪
ルビコンさんの車の中で駅で買ったサンドイッチをかっ込み、会場入り。
扶桑会館。。 コジンマリしたホールですが、美しくて芸術的なホールでした。
オペラハウスのように、ホールの両サイドはボックス席風になってました。
音響も良く響き、良かったです。照明も明るすぎず、暗すぎず。
来年も公演があれば、行きたいな~。
ですが、帰りの時間を少し早めた為、萬斎さんの「小傘」。
半分くらいしか見る事が出来なかった~。σ(T▽T)
だけど、いいの。久方ぶりのそのお姿。目にクッキリと焼き付けましたから~。
帰りは名古屋から新幹線で帰宅。早いね~。在来線と雲泥の差!
危うく、真逆の東京行きに乗りそうになって、ダッシュで反対方向のホームに走り、迷惑な駆け込み乗車をしてしまったお間抜けなつきうさなのでありました~。
発車時刻が一緒なのは罪ですぜ!JR東海さんよ~。
てな訳で、今日は解説だけUPさせてもらいました♪
各演目はまた明日以降に。。ではでは~。