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2006/03/29
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   ◆仁王(におう)
         博奕打   野村万之介
         何 某   石田幸雄
         参詣人   深田博治
          〃    高野和憲
          〃    月崎晴夫
          〃    竹山悠樹
          男    野村萬斎
                     後見 時田光洋



《あらすじ》
博奕で負けつづけの博奕打が、財産も尽きてしまったので知人に相談すると、博打打を仁王の格好に扮装させ、仁王が天下ったと触れ回って信心深い人々から供え物を騙し取ろうと提案する。
早速、仁王の相を作って待っていたところ、期待通りの参詣人が次から次とやって来て、さまざまな願い事をかけては備え物を置いていく。
味をシメタ博奕打ちはそのまま次の参詣人を待っていると、来たのは足の悪い男だった。
男は体を治そうと、仁王の体を撫で回す。そのあまりのくすぐったさに、恐い顔をしていた仁王の顔も歪み…
 大勢の参詣人が舞台上で集い、中世の活気がそのまま味わえる楽しい演目です。
参詣人ひとりひとりの願い事と共に、そっと心の中でお願い事をされてみたはいかがでしょうか。  (パンフレットより抜粋)


博奕で「ばらりさん(きれいさっぱり)」と無一文になった博奕打。(万之介さん)
(この博奕打の肩衣は、将棋の駒が描かれてて、博奕打にピッタリな肩衣でした。)
お世話になった人(石田さん)にいとまごいに行くと、「近頃は『神が飛ばせられた、仏が降らせられた』と話題になってますよ。ちと、それを利用して人々から供物を集めてはいかがですか?人は私が集めますから~~」と言われます。
まるでスッパ(スリ・詐欺師・博奕打・盗人・人買い)のような物言いのこの人。
博奕打には以前から「ほどほどにしないと、エライ目に合いまっせ」と忠告していたんですよね。
なのに何故、詐欺を奨励するような事を言うのか?
まったくもって、狂言の人物設定はハチャメチャで面白い~~。

博奕打が「仁王」に変身するシーン。
背中に作り物を背負い(楕円形の輪のようなもの)手には金剛杵、頭に煌びやかな帽子を被ります。
むふふ。。似合うわ~。万之介さん。とぼけた感じがいいなぁ。

仁王像には「阿(あ)」と「吽(うん)」がありますが、「阿」の口を開けた方の仁王でいかめしく立って、参詣人を待ちます。
この口を開ける時も思いっきり「くわ~」と開けるので、面白かったよ~。
だけど、口を開けた状態をずっと保ってるのって、辛いんじゃないかしら~。
「唾液も溜まりそう~~」などと、的が外れた事を心配したりして。

参詣人が次々と供物を仁王の肩にかけたり手にぶら下げたりして、願い事をしていきます。
参詣人を騙して連れてきた何某は、「私は用事がありますから、みなさんは先にお帰り下さい」と参詣人を帰し、博奕打と「上手く行ったな~」と大喜び☆-(ノ゚∀゚)八(゚∀゚ )ノイエーイ☆
味を占めた博奕打は何某に「あなたはそれを持って先に帰って下さい。私はもう少し仁王に化けて人が来るのを待ちますから~」と、嬉々として仁王の姿に戻ります。

と、ここで萬斎さんの登場~~~(〃∇〃)
萬斎さんの役どころは「足の悪い男」

大きな草鞋を肩に担いで、仁王の前にやって来ました~。
ほぅ~。やっぱり萬斎さんは華があるな。。
体が不自由な役なのに、何かしら華やいで見える(←それは煩悩レンズの為か?)

仁王を拝めば願いが叶うと言われやってきたのですが、まず草鞋を仁王の首に掛けます。(ちょっと、前屈みになって掛けやすくする万之介さん(* ̄m ̄)プッ)
迷惑そうな仁王の顔が笑える~~。確かに、重いでしょうね。あの特大草鞋は。

拝むだけじゃなくて、そのご利益を自分の体に取り入れようと仁王の体を触りだす萬斎さん。

まずは、「みくしをなでて。。」と仁王の頭を左右に振る萬斎さん。
そして自分の頭をナデナデ(*´∀`) 「お~、気がはっきりしてきた。次は物体ぢゃ」と、仁王の体を撫で回します。
仁王は耐えてます!くすぐったいのを耐えてる~~(笑)
萬斎さんは体をクネらせながら、自分の体を撫で回す(爆笑~~)

そして次は悪い足を治したくて、仁王の足を触りたくる。
もう仁王は耐えられず、動いちゃうんですね。
腰がガクッ、ガクッと折れちゃう。それに顔も「阿」から「吽」の口を閉じた状態にいつの間にかなっちゃった(⌒-⌒;)

それに気付いた萬斎さん。
「さてはさては、スッパじゃな!と見破り、ウシシ、くすぐってやれ~~」
と、『つく。つく。つく。つくつくつくつく~~』と言いながら、仁王を突つきに行く。
堪らず仁王は「わぁ~、許してくれー」と逃げるのですが、橋掛かりの途中で、萬斎さんに向かって「こんなもん、いらんわ!」と草鞋を投げます。
怒った萬斎さんが「まて、まて~」と足を引きずりながら追いかけていって終わりました。

とにかくね、万之介さんの仁王は本当に面白かったし、萬斎さんの安定した足の悪い演技が秀逸だったと思う。
「安定した」という言い方はおかしいかもしれないけど、○っこをひく(差別用語ですかね、この言葉。問題があるようでしたら後ほど削除します)リズムがいつも一定なんですよね。

萬斎さんの肩衣は「ワシ」。「タカ」じゃないと思う。多分、「ワシ」。
とても、目を惹きました。

この「仁王」は、茂山家のをテレビで見たのですが、足の悪い男が出てくる時は、先に参った参詣人も一緒に再登場したんですよ。
で、その人達が仁王の様子が変わっていくのを見て、攻め立てるんですよね。
そして、後には足の悪い男だけが取り残されてしまって、「せめて、草鞋だけでも返してくれ~」といって、ひとり退場する形でした。
それが頭にあったので、萬斎さんが一人で登場された時は「えっ!?」って思った。
だけど、そのお陰で萬斎さんと万之介さんだけの演技を見られて良かったなって思いました。

お寺の仁王像を見たら、(* ̄m ̄)プッって笑ってしまいそうで恐いわ。
それほど、楽しくって面白い演目でした♪

さてさて、4日に渡った長いレポも今日が最終日です。
いつもお付き合いして下さる皆様、お疲れさま~。そして、ありがとう♪
また、次も長いレポになるかもしれませんが、よろしくね。
って、次は。。いつ?






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最終更新日  2006/03/29 09:42:26 PM
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