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2007/04/16
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 「世田谷パブリックシアター 10周年記念」
特別インタビュー 芸術監督 野村萬斎に聞く


スカパーのシアター・テレビジョンで放送中の萬斎さんのインタビュー。
内容をブログに書こうと思いつつ、半月も経過。。
今日、やっとこ書けます。
では、早速、インタビューの内容をば。

萬斎さんの芸術方針三原則
1.「地域性」
  世田谷から発信し、東京→日本人→世界中の人に見ていただきたい。
  その同心円的な発想で物を作りたい。

2.「同時代性」
  私は古典芸能出身ですが、(世田パブは)現代演劇を核としていますので、
  その時代を映す鏡が演劇、ダンスを含めたライブ・パフォーミング・アートの
  やり方を考えて行きたい。

3.「普遍性」
  今はいろんな物が消費されがちな社会ですが、古典芸能の発想はひとつのものを
  突き詰めて洗練していく事によって質を上げていくもの。
  世田谷パブリックシアターは公共劇場なので、民間の商業主義的劇場とは違う。
  皆さんの税金も多少なりとも使っていますので、一つのものを長く質を高めて
  後世に残せるような作品作りを目指しています。



  狂言の600年という歴史の中で洗練されてきた知恵や方法論がたくさんあり、
  古典芸能の良いものの考え方を現代劇に「触媒」していく事で触発されて、
  良いものを作ってもらえるような劇場にしたいと思っています。

  古典芸能の人間もただ昔からのやり方だけが正しいと思い込んでるだけではいけない。
  「現代性とは、何ぞや?」という事と、自分達がやっている事を照らし合わせて行く事が必要。
  ここの劇場には、能楽堂にはない、三本の橋掛かりのある能舞台があります。
  ここでは(能楽を)現代劇の舞台芸としてご覧いただけるのではないかと思います。
  「現代劇として(能・狂言は)堪えうるものなのか?」と試されている訳で、
  相互の発想を大事にしたい。

  現代能楽集シリーズは、能のテキストを基本に作家、演出家に新たな能を作ってもらています。
  三島由紀夫さんの近代能楽集は昭和のあり方だと思いますので、今、この平成の御世の
  現代能楽集を、能の手法に負けないひとつのドラマの立脚が出来るかどうかのトライアルを
  することによって、双方向に考えていだたく事を願っている。

  
  就任前ですが、一番初めに演出したのが「まちがいの狂言」でした。
  狂言の手法を使って、シェイクスピアをやりました。
  その後、中島敦の「山月記・名人伝」を取り上げて、両方とも父をはじめ、
  野村万作カンパニー一門で私としてもシェイクスピアにいろんな形で関わっています。

  今度、演出するに当たって(国盗人/リチャード三世)、狂言の役者だけじゃなくて、
  現代劇の役者さんと混じりながら、新たな可能性を見出して行きたい。
  狂言というと喜劇的な印象をもたれますが、我々の技術は喜劇だけの為にあるわけではない。
  リチャード三世をベースにしていますが、重厚な歴史劇であり、悲劇であり、悪の道化という
  所もあります。
  狂言の技術、狂言の発想による演出で、この作品を現代に読み直す事が出来ればと
  思っています。

  出演者も非常に活躍されている役者さん達と、私、石田幸雄をはじめとする狂言の役者が
  混在しながら舞台を進めていきます。
  その役者同士のせめぎあいも見所でありますし、それをまとめる私も大変なんですけれども(笑)

  
  世田谷パブリックシアターは今年度、10年目を迎えまして、10周年記念の賑やかな番組を
  取り揃えています。
  私が企画して好評を得ました、現代能楽集「AOI/KOMACHI」。
(終演しました)
  見たことのない作品になっているかと思います。
  その他、アントワーヌ・コーベンさんの「死のバリエーション」(5/11~27)
  私も能を初めて世田谷パブリックシアターに乗せてみようとという試みで、
  「能楽現在形 劇場版@世田谷 “鉄輪”」(5/15、19、20)を考えています。
  そして6月には、私が手がける「リチャード三世/国盗人」が。
  日野皓正さんのジャズ(7月)、白井晃さんの「三文オペラ」(10月)など。。

  見たことの無い舞台。既成のお決まりパターンのものではなく、非常に実験性・芸術性の高い
  けれど、後には余韻の残るような舞台の作品を作って行きたいと思っています。
  記憶に残る舞台が目標です。是非、何度も足を運んでいだたければと思っています。


世田谷パブリックシアターHP


以上が約10分の萬斎さんのインタビュー内容です。
インタビュー中の萬斎さんは最初は硬い表情で話されていましたが、時折、笑顔を見せたり、萬斎さん独特の「間」を入れてのお話でした。
ベージュのジャケットに白&グレーのストライプシャツを着てらっしゃいました。
髪は長すぎず、短すぎず。ちょうどイイ感じ♪
サッパリとした印象の萬斎さんでした☆

スカパーには珍しく、コピーワンス番組じゃなかったんですよ♪
だから、空きのDVDメディアに入れまくり!

しかし、萬斎さん、41歳なんですよね~。
全然、そんな風に見えないですねぇ。
若く見える秘訣を教えていただきたいものです。






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最終更新日  2007/04/16 11:14:07 PM
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Re:野村萬斎 世田パブ特別インタビュー(04/16)   りゅう6339 さん
さすが萬斎さん
よく考えて演出企画を考えてるんですね
古典芸能と現代劇の混在
素晴らしい発想ですね
これからの活躍が楽しみですね
つきうささんも萬斎さんを見られてウキウキでしたかね(笑)
(2007/04/17 10:54:43 AM)

Re:野村萬斎 世田パブ特別インタビュー(04/16)   星の風来坊 さん
お早うございます。

芸風についてしっかりとした考えを持っているのが分かりますね。

何歳になっても常に新しい事に目を向けているのが若さの源かもですね。 (2007/04/17 11:36:29 AM)

今後のSePT企画公演に期待がかかります   あめみこ さん
国盗人もさることながら、年間の公演スケジュールとコンセプトをすり合わせてまとめあげる芸術監督のお仕事って結構大変そうですね。
なんとなく知名度のあるひとが芸術監督だったりすると人が集まるのかなぁなんて思ったこともありましたが、萬斎さん、忙しい中でちゃーんとしっかりお仕事してらっしゃるんですね(失礼なっ。苦笑)

それだけ未来の演劇界にかける情熱。
そして古典芸能との橋渡しをされていく。
そうでないと、古典だけ置いてけぼりになってしまいそう。
こういう古典芸能を盛り上げる戦いにもっとマスコミも目を向けて大きく取り上げてほしいものです。
日本が誇る最古の芸能。
ちょっと孤軍奮闘のような感じに見えちゃいますが、他の若手の方々ももっと活躍される場が広がるといいなぁ。

10分とはいえ濃密なインタビューですね。
内容は難しくとも、最新の萬斎さん映像に「うひょひょー」っとなりそう(笑)
若く見えるんだぁ。メディアに出てこないかな。来年の鞍馬天狗まで待つのは遠いよー。 (2007/04/17 08:15:22 PM)

Re:野村萬斎 世田パブ特別インタビュー(04/16)   ルビコン さん
インタビューを起こして下さりありがとうございます。

萬斎さんの演劇に対する情熱と、日本人から発信したいという夢、萬斎さんらしい展望がぎっしりと詰まっていますね。
陰陽師の頃とかの以前は「こうしたい」という希望の話が多かったですが
段々と具体的な動きを伴ったお話になってきましたね。

しっかり芯の通った考えを継続する力…これがとても難しいのに、それをヤルなんて凄いと感じました。

最新の映像では、博士な萬斎さんを見てるので、久々のピリリと男前な萬斎さんの顔でこの記事を読ませてもらいました。 (2007/04/17 09:11:23 PM)

☆りゅうさん   つきうさ☆ さん
萬斎さんは段々、立派になられますね。
演出力があるっていうのか、その方面の才能が素晴らしいです。
勿論。狂言は天下一品ですしね。
6月から始まる「国盗人」は、現代劇の役者さんとのコラボですので見応えありそうですよね。

最近の萬斎さんが見れて嬉しかったです♪
(2007/04/17 09:22:56 PM)

☆星の風来坊さん   つきうさ☆ さん
こんばんは♪

いつもこんなブログ内容でも丁寧に読んで下さってありがとうございます。

いくつになっても新しい事に目を向ける。。
なるほど~。そうかもしれませんね♪
私も新しい事に挑戦したいです。
(2007/04/17 09:40:57 PM)

☆あめみこさん   つきうさ☆ さん
萬斎さんは狂言だけでも多忙なのに、世田パブの芸術監督としての手腕も相当なものですよね。

その立場を利用していろんな事にTRYしている萬斎さん。
萬斎さんの頭の中は、アイデアが一杯で、次から次と沸いてくるんでしょうね。

萬斎さんの地道な活動は、きっとその筋の人には認めてもらえてるのだと思います。
ですが、あめみこさんの仰るように、マスコミ関係でもっと取り上げてほしいですね。
いつも派手な歌舞伎に目が行っちゃってますもんね。

萬斎さんのインタビューは、久々に見た気がします。
結構、リラックスムードな感じでした。
最後の、「何度も足を運んで。。」の部分は、陰陽師2の「何度も繰り返し見る人ねぇ~」と仰った時の雰囲気が出てて、懐かしく思いましたわ。

鞍馬天狗は。。遠いよね~。
いつから撮影かな~。
萬斎さんから撮影秘話とか聞きたいよね。
(2007/04/17 09:50:07 PM)

☆ルビコンさん   つきうさ☆ さん
インタビュー内容を書くわ!と言いながら、長らく放置しててごめんね。

そうそう。。陰陽師の頃は「他流試合に出て行きたい」と抱負を語っておられましたよね。
それが、世田パブという場所を与えられて、如実に現実味を帯びてきたんですね。

芸術監督って大変な任務だと思いますが、萬斎さんもやりたい事が思いっきりやれてよかったんじゃないかな。

それも行き着く間もなく、新しい舞台を演出されるんですから、その情熱たるや凄いですよね。

博士な萬斎さんも、ピリリとした萬斎さんも素敵ですよね~。
「にほんごであそぼ」も長寿な番組になりましたが、萬斎さんが変わらず出演されている事は、本当に嬉しい事です。
ずーーっと、出演してほしいですね♪
(2007/04/17 09:58:33 PM)

すごいよ~つきうさんと萬斎さん☆   マリーmypink さん
こんばんは~~♪

つきうささん~素晴らしい!
DVDから文章、起こしたのですか~
萬斎さんへの愛に溢れてます。。。
内容も、素人の私にも、とても分かりやすく説明してくださってますね。
狂言の枠にとらわれず~いろんなコトにチャレンジする萬斎さん・・・
若さの秘訣は~それじゃないかな?(アンディも言ってました。好奇心とチャレンジ精神で~100歳になっても現役でいたいって すごっ!) (2007/04/18 08:49:28 PM)

☆マリーさん   つきうさ☆ さん
こんにちは~♪

スカパーですから、観たいのに観れない方もいらっしゃると思って、萬斎さんの言葉を文章にしてみました☆

やっぱり、日々の生活に安寧していないで、挑戦が大事ですよね~。
なんと!アンディーは100歳まで現役が目標なのね~。
凄いや!萬斎さんもきっと同じ事考えてらっしゃるでしょうね。
(2007/04/20 11:58:11 AM)


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